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湘南平塚下肢静脈瘤クリニックブログ

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秋好院長ブログ

今年の目標:土曜日手術を始めます。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

これまでの当院の患者さんは高齢者中心でした。これは神奈川西部という高齢化の進んだ医療過疎圏のためと思われます。東京とはだいぶ異なるようです。

 

診療所運営に役立つヒントを探るために、同様に高齢化の進んだ韓国や台湾、逆に若年層の多いベトナムを長期休暇を利用して視察し、現地の事情に詳しい方々にいろいろとお話を伺いました。韓国の病院の配置などは病院へのアクセスに悩む神奈川西部の医療事情では参考になりました。また、台湾では少子高齢化の問題に社会全体として積極的に取り組み、妊婦や子連れの家族に対する配慮が日本よりよほど行き届いています。韓国や台湾とは逆に若年層の多いベトナムでは高度経済成長期に確立された日本の保険医療制度が本来想定していたであろう社会の姿を拝見することが出来ました。

 

詳しいことはここでは書ききれないので結論だけいうと、現役世代の患者にもっと利用しやすい医療環境を作らないといけないと思います。現在の日本の就労環境では、どうしても病気を治すのは定年後になりがちです。特に静脈瘤のように手術が必要な病気ではそれが顕著です。その結果として、重症化してから定年後にようやく手術をする羽目になるというのが今の静脈瘤治療の現実です。

問題解決の第一歩として現役世代の方が治療を受けやすいように土曜日の手術を開始することにしました。これまでも外来は行っていたのですが、手術までは手が回りませんでした。そのために現役世代の方が手術を受けることが出来ないケースがありました。この問題をまず解決したいと思います。

最初は月に1-2回限定でスタートして、軌道に乗ってからは可能であれば毎週としたいと思います。なんとかうまく運んで現役世代の方々が働きながらも医療を受けられるようにしたいです。

皮膚炎による色素沈着(黒ずみ)についての質問。

下肢静脈瘤による皮膚炎のための色素沈着(黒ずみ)についてのよくある質問をまとめてみました。

 

Q:下肢静脈瘤を放置していたら皮膚がただれて黒くなった。これは手術で良くなるのか?

A:少しずつ良くなっていきますが、とても時間がかかります。皮膚のただれはわりと早く良くなりますが、それでも一ヶ月は最低でかかります。黒ずみについては年単位でかかります。長年にわたり放置した超重症例では黒ずみはずっと残ることもあります。

 

Q:手術した後もただれていたところや黒ずみがチリチリする。

A:レーザーで焼いた血管はゆっくりと消えていきます。その間は違和感があることがあります。また、皮膚炎で皮膚がただれていたところは神経もやられていることがあります。皮膚炎のある重症例では広範囲かつ強くレーザーで焼くことが多いので、軽症例と比べて痛みがある印象です。

 

Q:すぐに良くならないのであれば手術をしたくない。放置したらどうなるか?

A:放置すると皮膚炎が進行します。最悪の場合には潰瘍といって皮膚に穴があきます。皮膚炎による黒ずみは進行し、足が真っ黒になることがあります。その段階になってから手術をしても治りますが、時間はもっともっとかかります。残念ですが、皮膚炎や潰瘍にまでなった場合にはすぐに良くなる方法はありません。そのなかで一番ましなのはレーザーでさっさと手術することであることがわかっています。

 

Q:潰瘍を放置すると下肢切断になるか?

A:きちんと手術をして正しい治療をすれば下肢切断になることはありません。

 

Q:皮膚炎や潰瘍になった静脈瘤があるが、高齢で他に病気もある。手術はできるのか?

A:皮膚炎や潰瘍のある患者の多くが高齢者であるのは残念ながら事実です。かつては手術が大変で、しかもこんなにみんなが長生きするとは想定していなかったので、寿命が解決してくれるだろうと放置することが多かったためです。また、家族の介護や仕事や他の病気を優先した結果として潰瘍になることも多いようです。専門医の立場から申し上げると、軽症で簡単に治せるものだけを治しても意味がありません。本当に治療が必要なのは重症例です。高齢で他の病気があっても、本人に治す気があるのであれば、専門医は手術を引き受けますし、実際に可能です。

 

一般の方にわかりやすいようにQ&A形式としました。論理的な説明の方がわかりやすい方は以下を参考にしてください。

 

下肢静脈瘤になると静脈圧が亢進し、赤血球が血管外に漏出します。漏出した赤血球は崩壊し、ヘモグロビンはヘモジデリンとして皮膚に沈着します。このヘモジデリンを貪食するために白血球が放出する細胞傷害性物質などによって皮膚炎となり、かゆみが生じます。静脈圧亢進で微小循環も障害されていることもあり、皮膚炎になっている箇所では創傷治癒が遅延しているので、皮膚炎によるかゆみを掻き壊したり打撲や虫さされが生じた際には容易に潰瘍となります。

下肢静脈瘤の症状の多くは静脈圧亢進によって生じますが、その客観的指標のひとつがヘモジデリンの沈着すなわち色素沈着です。かつては寿命が70歳程度であることを想定して、放置することが可能でしたが、現在の超高齢化社会では90歳になってから潰瘍を生じることも珍しくありません。潰瘍を有する高齢者の多くで過去に受診歴があり、「静脈瘤は死なないから足が真っ黒になるまで放置しておけばいい」という類のことを言われています。ただ、この考えは現在の医療水準や患者側の要求水準を考えると正しいとは言えない。その時代はそれでよかったと同じ医師として理解できますが、自分の経験ではほぼまちがいなく患者はその医師をよくは思っていないです。時代が異なれば医療も異なるのでやむをえないのですが、潰瘍になった人からすれば恨む気持ちもわからないでもないし、実際に可哀想です。

下肢静脈瘤のすべてを治療する必要はありませんし、緊急性もないことが多いのですが、皮膚炎がある場合は別です。皮膚炎がある場合にはきちんとした治療を受けましょう。また、皮膚炎は進行するので、肝機能障害などの軽微な他疾患があっても治療はすべきと考えます。他疾患が簡単に治るようなケースであれば先に他疾患を治してからでもいいですし、皮膚炎が多少悪くなっても手術で一気に挽回できます。肝機能障害などの慢性疾患であれば待っていても状況は改善しないので先に手術をして皮膚炎の進行を止めることを優先すべきでしょう。

手術見学

今日は技術交流のための手術見学を受け入れました。これまでにも何回か引き受けたことがあります。

もちろん同じ血管外科医師ですし、患者様の事前了解は頂いています。(一般の方の見学は受け付けていません。)

 

病院、医院同士で技術交流のための見学は一般的で、そうやってよりよい治療が広がっていき、医療の地方格差が解消されていきます。

ビデオでいいじゃないか、という意見もあるかと思いますが、手術は肉体労働ですから手や腕の使い方なども見ますし、どのように道具が配置されているかなども重要です。そういうのはビデオには写っていません。私自身も飛行機で金沢や松山にまで伺ったこともありますし、偉い先生のカバン持ちでお邪魔したこともあります。そういった経験が今の医療に生かされています。

 

手術見学とは話が異なりますが、医学部を卒業したてのフレッシュマンの頃に当時のご高齢の患者様から「あんた、私の体でしっかり勉強しなさいよ」と言われたことを思い出しました。そういう方はたくさんいました。シミュレーターやビデオがない時代でしたので、本と患者さんから学ぶしかなかった時代です。新米だとわかっていても面子を立ててくれて、上司に怒鳴られた後にカーテンの陰でそっと慰めてくれたり、大部屋のおばちゃん達のアイドルになったりとか。よほど頼りなかったんですね、僕は。。。ほとんど毎日のように上司に怒られていましたが、病院に行くことが辛いと思ったことはなかったです。そうやって可愛がってくれるおじいちゃんやおばあちゃんに迷惑はかけられん、と頑張ったのを思い出しました。

 

ほとんどの方が鬼籍に入られていると思いますのでお礼することは叶わないのですが、今の姿をみたら少しは喜んでくれるかな、とふと思いました。

 

分院について

患者さんが集まってきて手術待ちが長くなると分院化の話が出てきます。遠方の患者さんから言われることもあります。

残念ですが、当院には分院はありませんし、分院化の計画もありません。名前が似ているクリニックはたくさんあるんですけどね。当院の名前は、患者さんがわかりやすいように、地名と病名を組み合わせただけなんで特に意味はありません(笑)。混同されて迷惑を被ったこともないことはないのですが、いまさら変更できないし、治療の質が名前で決まる訳でもないのでほっといてます。

 

いつもいつもラーメンの例えで恐縮なのですが、ラーメン屋さんはチェーン化すると味が落ちることがあります。

昔はもっと美味しかったのに、とか、昔はもっとチャーシューが厚切りだった、といったことも出てきます。

 

当たり前ですが、チェーン化するとラーメン作り以外のことにオーナーは忙殺されます。一番わかり易いのは従業員の労務管理です。スープや麺の出来なんて構ってられなくなります。また、様々な経験値の人が携わるようになるので、マニュアル化します。そうなるとラーメンの出来に外れはなくなるけど、「すごくおいしい」というのはなくなります。各自の判断で加減を調節することができないので、その日の天気やスープの出来にあわせることが出来なくなるのかなと想像しています。サービスでチャーシューを厚切りにすることも出来なくなるだろうし。

 

商売ならそれでいいと思いますが、医療となるとそうはいきません。誰だって自分を大事に診てほしいし、それぞれ体は違いますのでマニュアル化はできません。また、医療ではナースや医療事務は単なる従業員ではないです。それぞれが高度の専門知識や特殊技能をもっている専門職です。ナースや医療事務に対するハラスメントなどは絶対に許容されるべきではありませんし、当院では絶対に許しませんが、そういったことも分院化すると守りきれなくなります。

 

「目と手の届く範囲で、身の丈にあった商売が一番」とおっしゃったお寿司屋さんが京都にありましたが、まさにそのとおりだと思います。

足のつりと下肢静脈瘤

「足がつる」という症状で当院を受診する方が増えてきました。

 

当院は皮膚炎などを伴う重症例や再発例に力を入れていますが、だからといって軽症例は治療しないというわけではありません。

当たり前ですが、重症例が治療できれば軽症例も治療できます。(その逆は必ずしも正しくはないようですが。)

 

重症例の方によくよくお話を伺っていると、「足がつっていたけどほっといた。そのままほっといたら痒みがでてきた」という方が結構いることに気が付きます。そこで足がつるという方に超音波検査をしてみると、結構な確率で伏在静脈の逆流(=下肢静脈瘤)を認めます。

 

皮膚炎になってから治療をしても手遅れということではありません。ただし、黒ずみ(色素沈着)や皮膚のえぐれた痕(潰瘍痕)などはどうしても残ってしまいます。また、重症例では軽症例より手間も時間もかかります。

 

ネットで検索することによって医療知識を得ることが容易になりましたが、一方で誤解も広がりやすくなりました。

下肢静脈瘤では表面の血管のボコボコが目立つので、「血管のボコボコ=下肢静脈瘤」と思いがちですが、厳密にはそれは誤りです。

「伏在静脈の逆流などによる静脈圧の上昇=下肢静脈瘤」であって、「血管のボコボコ」はその症状の一つに過ぎません。

「血管のボコボコ」は写真でわかりやすいので、ネットやテレビではそればかりがクローズアップされるのですが、専門医はその奥を診ています。

 

「足がつる」というケースでも、その症状によって睡眠や歩行に支障をきたしているような場合には健康保険が使えます。ご安心ください。

 

クリニック概要

医院名 湘南平塚下肢静脈瘤クリニック
診療科目 内科・血管外科
住所 〒254-0043
神奈川県平塚市紅谷町14-20 FT共同ビル3F
TEL JR東海道・湘南新宿線「平塚駅」北口・西口より
徒歩3分
電話 0463-74-6694
休診日 日曜日、祭日、土曜日午後
診療時間 日・祝
9:00~
12:00
13:00~
18:00

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