ストリッピング術について
この方法では静脈瘤の原因となる伏在静脈内にワイヤーを通して引き抜きます。ストリッピング術は長い歴史を持ち、あらゆるタイプの静脈瘤に対応する方法がすでに確立されています。
残念ですが、レーザー焼灼術が登場してから静脈瘤について学んだ一部の医師はストリッピング術が不得手あるいはそもそも出来ないために、無理な焼灼術を施行して再発を招いているようです。焼灼術では良好な効果が期待出来ないタイプの静脈瘤には当クリニックでは最初からストリッピング術をおすすめしています。
ストリッピング術の3つのメリット
1.当クリニックのストリッピング術は再発がほとんどありません
下肢静脈瘤に対する伏在静脈ストリッピング術は、20世紀初頭から行われるようになりました。100年間に術前検査や術式に関して様々な検討がなされ、現在は下記の3条件を満たせば、再発がほとんどないことが分かっています。
1.伏在静脈根部の枝の確実な処理
2.伏在静脈の確実な抜去(ストリッピング)
3.不全穿通枝の確実な処理
2.手術の傷は極力小さく抑え、時間経過によりほとんど目立たくなります。
ストリッピング術は、20年前までは、きちんと検査して完璧な手術を行おうとすると患者さんもそれなりの痛みを我慢しなくてはなりませんでした。多くのクリニックのホームページでストリッピング術は痛みがひどい、傷が大きい、手術に二時間かかる、全身麻酔が必要と説明されているのはそのためです。
21世紀の現在ではそのようなことはありません。
20年前は術前に下肢静脈造影(立ったまま足の甲から造影剤を注射する非常に辛い検査)が必須でしたが、現在は痛みが全くない超音波検査と造影剤を使わない単純CTで正確に診断できるようになりました。
また、手術器具も改良されたため、傷も5ミリから2センチ程度で済むようになりました。傷を縫う糸も進歩したため、傷跡は半年もすればほとんど目立たなくなります。
3.手術時間が30分から長くても1時間ほど、と長時間に及ぶものではありません
正確な診断に基づいて、最小限の傷で必要な場所だけを手術するので手術時間も大幅に短縮しました。現在、ほとんどの例において手術時間は30分程度です。
ストリッピング術をお勧めしている患者様
再発は絶対に嫌だ。できるだけ長持ちする治療法がいい。
一度の手術できれいさっぱり治したい。
少しでも安くしたい。
一部のクリニックでは、20年前の知識に基づいてストリッピング術を全否定していますが、当クリニックではこのような希望を持つ患者様にはストリッピング術を勧めています。
専門医の立場から申し上げると、ストリッピング術は長い歴史に裏付けられた最も確実で信頼出来る治療です。食わず嫌いせずに選択肢の一つとして一度は検討することを勧めます。