スーパーグルー治療とは
グルー治療は下肢静脈瘤の原因となっている血管内に瞬間接着剤を入れて固めてしまう方法です。
レーザーでは焼き潰す時に痛みが生じるので、相応の量の局所麻酔が必要なのですが、瞬間接着剤で固めるので局所麻酔の回数が少なく済みます。
スーパーグルー治療の長所は痛みが少ないという一点につきます。他の手術と比べてもレーザー手術はかなり痛みが少ないのですが、それよりさらに少なくなります。痛みに弱い人には適している手術といえます。ただし、痛みがゼロというわけではないのでご注意ください。
スーパーグルー治療の短所としては、瞬間接着剤が永遠に血管内に残るのでアレルギーが生じうるということです。短期的には抗アレルギー薬で抑え込めますが、10年単位の長期で考えた場合にはわかっていません。従って、現役世代では避けたほうが無難かもしれません。
もう一つのスーパーグルー治療の短所としては、静脈瘤の形態・構造によっては使えないことがあるということです。レーザー治療はありとあらゆるタイプの静脈瘤に対して適応出来ますが、スーパーグルー治療は軽症の下肢静脈瘤にのみ適している治療といえます。
まとめると、スーパーグルー治療は下記のような方々にはとても適している治療といえます。
- 75歳以上である。
- 痛みに極端に弱い。
- 軽症の静脈瘤である。
- アレルギー体質ではない。
レーザー治療の場合には特に制限はありません。過去の5000肢以上の当院の経験では、複雑な静脈瘤も含めて対応が可能です。ただし、1%以下ではありますが、レーザー治療が非常に効きにくい体質の方というのはいるようです。このような方では、レーザー治療ではなく、スーパーグルー治療を採用してもいいと思います。
いずれにせよ、下肢静脈瘤の治療選択肢が増えたことは患者にとってはとてもよいことです。当院でも適した症例を選択してスーパーグルー治療を行いたいと思います。