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湘南平塚下肢静脈瘤クリニックブログ

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秋好院長ブログ

12/24-1/5は休診です。

本日をもって2020年の診察を終了しました。

当院の基本方針として、クリスマスと年末年始はスタッフがご家族で心おきなく過ごせるように長期の休みをとります。

普段、ご家族からスタッフをお借りしているわけです。家族が揃う年末年始ぐらいは仕事の心配をせずにゆっくり過ごしてほしいということです。

 

今年は当院の静脈瘤診療もコロナに大きな影響を受けました。例年だと患者が殺到する春季と夏季はコロナの不安がマックスであったために受診控えが起きました。一方で、夏季に受診を控えた患者の静脈瘤は確実に悪化し、例年なら閑散期となる秋季と冬季にも皮膚炎や潰瘍の患者が多数受診しました。

 

受診行動にはワイドショーが大きな影響を与えることがわかりました。ワイドショーのコロナ報道が過熱すると受診がピタッと止みます。そして、ワイドショーがコロナ報道に飽きて芸能ネタを始めるとまた受診が増えます。

ワイドショーは公正な科学的な番組ではないし、報道番組ですらもありません。ワイドショーの多くは低俗で、バラエティ番組と大差ありません。

生命や健康を大事に思うのであれば、視聴率目当てのワイドショーに踊らされることなく、きちんと科学的に公平な判断を下していかなければならないと思います。この点については、啓蒙を続けていかなければならないと感じました。

 

一方で医療機関側にも努力が必要です。現行の仕組みではコロナの恐怖で受診を控えている患者を助けることができません。このため当院ではオンライン診療の本格導入に向けて動き出しました。この点については政府のオンライン診療恒久化の方針が助けになります。緊急事態宣言中にメールでのオンライン診療を開始したのですが、メールというのはなかなかハードルが高いというのが現実のようです。LINEでのオンライン診療を近々開始したいと思います。LINEであれば、より多くの人が簡単に相談できるようになります。しばらく様子をみてよい静脈瘤なのか、早めに手術したほうが良い状態なのかをテレビ電話で判断できます。遠方の患者も気軽に相談できるようになります。

 

2021年もより良い医療を提供できるように努力を続けたいと思います。

論文発表

下肢静脈瘤はコロナウィルス流行真っ最中に手術をする必要はありません。

一方で、コロナウィルスで夏に受診控えをしたために悪化して皮膚炎になった人が秋になってから数人来ました。

ご自分で判断するのは難しいと思いますが、適切なタイミングで受診はする必要はあります。

ポイントは皮膚のかゆみと黒ずみです。この2つは皮膚炎の症状であり、間違いなくやったほうがよいと思います。

ご自宅で経過観察をする場合でもかゆみと黒ずみには注意してほしいと思います。

 

さて、今年はコロナで受診が少なかったので、合間に論文を書いたりしました。その結果として、今年は論文二本が発表されました。

 

Incidence, diagnosis and treatment of popliteal artery entrapment syndrome in current vascular practice in Japan

Naoki Fujimura, Kyousuke Hosokawa, Hideaki Obara, Kimihiro Igari, Daijirou Akamatsu, Hidetoshi Matsumoto, Atsunori Asami, Shintaro Shibutani, Takurin Akiyoshi, Masao Nunokawa, Hirohisa Harada, Kyozo Inoue, Atsuhiro Koya, Tadashi Furuyama, Daisuke Sagara, Tsunehiro Shintani, Terutoshi Yamaoka, Yoshinobu Akiyama, Yoshinori Inoue, Katsuyuki Hoshina

Cardiovascular Intervention and Therapeutics

 

膝窩動脈捕捉症候群の2例

林 啓太, 秋好 沢林, 松原 健太郎, 長崎 和仁

日本心臓血管外科学会雑誌

 

一本目は平塚市民病院勤務時に参加した多施設共同研究の結果が英文論文となったものです。

二本目は当院で診断した膝窩動脈捕捉症候群を平塚市民病院で手術した結果をまとめたものです。

膝窩動脈捕捉症候群というのは非常に珍しい疾患で、診療所で診断がつくことはほとんどありません。

更に言ってしまえば、診療所の開業医が論文を書いたりすることもほとんどありません。

 

厚労省は地域医療構想の根幹として病院と診療所を有機的に連携させることを目標に医療制度を改革してきました。

当院も「病院と診療所のシームレスな連携」を掲げてきました。

病院と診療所がきちんと連携すれば、珍しい疾患も診療所で診断できるし、遠くまで行かなくても地元で治療してもらえるということを示せたと思います。コロナ流行があっても構想実現に向けて地道に努力を積み重ねていきたいと思います。

 

コロナ流行下におけるダイエットについて

先日、静脈瘤再発と肥満について説明しました。一方で、コロナ流行下においてダイエットをすることは勧めません。

実際、私自身もしていません。緊急事態宣言発令とともに意図的に炭水化物を多めに摂取し、体重を増やしています。おかげでズボンがきついです。

免疫力を維持するためです。

コロナ予防のためには、マスクも三密回避も大事だけど、最も大事なのは自己管理です。

 

コロナ期間でもダイエットを勧めているのは150cmで80Kgなど明らかな肥満例です。そういった方には減量を勧めた方がメリットも大きく、stay homeで食べ過ぎ飲み過ぎには注意してほしいと伝えています。

 

下肢静脈瘤も大事だけど、コロナ予防も大事です。下肢静脈瘤の進行予防はひとまずおいといて、まずはコロナ対策に注力したほうがよいと思います。

下肢静脈瘤は手術が必要になっても手術時間はせいぜい15分程度で終了しますのご安心ください。

再発を予防するには

静脈瘤再発を予防するために患者にできることはないか、とよく聞かれます。

 

結論から言うと、減量、減量、減量、です。

静脈瘤診療20年の個人的経験からも、臨床研究においても、肥満は静脈瘤再発の原因として挙げられます。

 

静脈瘤発生には立ち仕事という環境要因や家族歴などもありますが、不景気のこの世の中で静脈瘤のために転職なんて現実的ではないし、家族性があるからといって親兄弟の静脈瘤を治しても自分の再発がなくなるわけではありません。

弾性ストッキングを履き続けることで再発が減少する可能性は否定できませんが、はるかに涼しい北欧やカナダならともかく、日本の酷暑で履き続けるなんてことは現実的ではないと思います。

 

「患者にできること」と言ったら、減量しかないのも事実なのです。

 

具体的には身長(cm)から100を引いたぐらいに抑えるようにしましょう。150cmなら50kg、160cmなら60kgです。厳密な標準体重とは異なりますが、減量を実行に移すにはわかりやすさも大事です。

 

静脈瘤再発のリスクとなるような肥満では静脈瘤再発リスクだけでなく、脂肪肝や動脈硬化等のリスクも高くなります。

何はともあれ、減量を始めてみましょう。

下肢静脈瘤再発について

下肢静脈瘤の再発について聞かれることが多くなりました。

今回は下肢静脈瘤の術後再発について考えてみたいと思います。

再発の分類、対処法、当院の方針、と説明していくので今回は長くなります。

 

「再発」の分類

「再発」分類1. 「再発」ではなく、「新規発生」を再発と患者が表現している場合。

まず最初に述べなくてはいけないのは、「再発」ではそもそもなく、「新規発生」を「再発」と表現している方がとても多いことです。なかには全く静脈瘤と関係ない症状を静脈瘤再発と言っている方もいます。肌感覚としては半分以上がこのグループに入ります。

保険医療では予防的な静脈瘤手術は認められていません。既に静脈瘤になっている血管しか手術をすることは許されていません。一本の足には静脈瘤の原因となりうる血管が複数あります。このうちの既に静脈瘤になっている血管の手術のみが保険でカバーされます。

従って、以前に手術をしたのとは別の血管から静脈瘤が出ることも残念ながらあります。

 

「再発」分類2. 術式の問題で再発する場合。

10年以上前はストリッピング術しか根治的治療はありませんでした。血管を引っこ抜くということに対する患者側の心理的抵抗は強く、その解決策として高位結紮や硬化療法など外来でできる妥協案的手術が数多く施行されました。これらの治療は当時の医療水準では十分に合理的なものとされ、保険でも認められています。ただ、これらの治療は再発率が高いのが難点であり、いまはあまり行われなくなっています。

 

「再発」分類3. 機械の限界である場合

レーザーや高周波で焼いた血管は徐々に吸収されていきますが、その途中で再開通することがあります。頻度としては1%以下ではありますが、ゼロではありません。手術中はエコーで血管の太さなどを見ながら焼き具合を調節していますが、血管の性質は人それぞれなので、同じ太さの血管を同じように焼いてもその反応には個人差があります。この個人差が術後の吸収にかかる期間の差や再開通としてでることがあります。

 

「再発」分類4. 医師の技量が問題である場合。

残念ですが、下肢静脈瘤専門医を名乗っている者のなかには、明らかに血管外科医ではないものもいます。下肢静脈瘤は血管外科医が専門家であることは医師同士では常識であるのですが、血管外科医の人数が少ないことにつけこんで、血管外科医のフリをしているものもいます。一般の方にはわかりません。

外科専門医や心臓血管外科専門医の資格を保持していれば、血管外科医であると考えて差し支えありません。一方で、血管外科医が泌尿器科専門医や整形外科専門医や麻酔科専門医の資格をとることは現行の専門医制度ではほぼ不可能です。経歴や資格の欄で外科や心臓血管外科以外の勤務歴がある場合には疑ってかかったほうがよいと思います。

 

「再発」に対する対策

「再発」 分類1に対する対策

これはそもそもが「再発」ではなく、患者側の「誤解」です。丁寧に説明するしかありません。これは、術式や術者に関係なく起こりうるので、どうしようもありません。そういう体質・運命だと思って、都度でやるしかないと思います。

 

「再発」 分類2に対する対策

保険で認められている術式とはいえ、時代遅れで再発率が高い術式は誤解を招くだけなのでやらないのが一番です。また、硬化療法だけで解決する静脈瘤というのは多くの場合で静脈鬱滞症状がないものであり、「見た目だけの問題で、実害がないものに保険(=公金)を使うべきではない」という大原則に反すると考えます。従って、当院ではそもそもやりません。

 

「再発」 分類3に対する対策

これは医療技術の限界です。例外的な強い出力で再治療をすると多くの場合で解決します。それでもだめな場合にはストリッピング術を行うしか方法がありません。

 

「再発」 分類4に対する対策

この問題については所管学会である静脈学会、厚労省、中医協、保険組合が問題視しており、対策に乗り出しています。血管外科医の数の少なさを考慮すれば、静脈瘤クリニックのチェーン展開は困難なはずです。グループで複数の静脈瘤クリニックを経営しているような場合には、疑ってかかったほうがよいと思います。

 

当院での対応の原則

再発に対する対応の原則としては、術前にきちんとCTやエコーで調べることです。CTで不全穿通枝を検索し、伏在静脈の変異を入念に検索することがとても大事です。教科書には定型的な解剖しか書いてありませんが、実は解剖にはかなり変異があるのが実情です。再発にはある程度のパターンがあり、穿通枝などを丹念に処置しておくことが大事です。これだけでも再発率がかなり低くなります。また、再発や新規発生のリスクを事前に伝えることが大事だと考えます。

最も大事なことは、手術適応です。静脈鬱滞症状が強く、生活にすでに支障をきたしているような場合には、再発・新規発生のリスクよりも目の前の症状改善の方が重要です。このような場合には手術を強く勧めます。一方で、無症状や症状軽微であるような場合で、再発のリスクを心配される方には手術を勧めません。静脈瘤が存在することや今後の見通しは伝えますが、手術は勧めないので拍子抜けされることもあるかと思います。それはそれでいいと思います。手術は本当に必要になってからやればいいと思います。

クリニック概要

医院名 湘南平塚下肢静脈瘤クリニック
診療科目 内科・血管外科
住所 〒254-0043
神奈川県平塚市紅谷町14-20 FT共同ビル3F
TEL JR東海道・湘南新宿線「平塚駅」北口・西口より
徒歩3分
電話 0463-74-6694
休診日 日曜日、祭日、土曜日午後
診療時間 日・祝
9:00~
12:00
13:00~
18:00

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