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湘南平塚下肢静脈瘤クリニックブログ

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秋好院長ブログ

論文発表

下肢静脈瘤はコロナウィルス流行真っ最中に手術をする必要はありません。

一方で、コロナウィルスで夏に受診控えをしたために悪化して皮膚炎になった人が秋になってから数人来ました。

ご自分で判断するのは難しいと思いますが、適切なタイミングで受診はする必要はあります。

ポイントは皮膚のかゆみと黒ずみです。この2つは皮膚炎の症状であり、間違いなくやったほうがよいと思います。

ご自宅で経過観察をする場合でもかゆみと黒ずみには注意してほしいと思います。

 

さて、今年はコロナで受診が少なかったので、合間に論文を書いたりしました。その結果として、今年は論文二本が発表されました。

 

Incidence, diagnosis and treatment of popliteal artery entrapment syndrome in current vascular practice in Japan

Naoki Fujimura, Kyousuke Hosokawa, Hideaki Obara, Kimihiro Igari, Daijirou Akamatsu, Hidetoshi Matsumoto, Atsunori Asami, Shintaro Shibutani, Takurin Akiyoshi, Masao Nunokawa, Hirohisa Harada, Kyozo Inoue, Atsuhiro Koya, Tadashi Furuyama, Daisuke Sagara, Tsunehiro Shintani, Terutoshi Yamaoka, Yoshinobu Akiyama, Yoshinori Inoue, Katsuyuki Hoshina

Cardiovascular Intervention and Therapeutics

 

膝窩動脈捕捉症候群の2例

林 啓太, 秋好 沢林, 松原 健太郎, 長崎 和仁

日本心臓血管外科学会雑誌

 

一本目は平塚市民病院勤務時に参加した多施設共同研究の結果が英文論文となったものです。

二本目は当院で診断した膝窩動脈捕捉症候群を平塚市民病院で手術した結果をまとめたものです。

膝窩動脈捕捉症候群というのは非常に珍しい疾患で、診療所で診断がつくことはほとんどありません。

更に言ってしまえば、診療所の開業医が論文を書いたりすることもほとんどありません。

 

厚労省は地域医療構想の根幹として病院と診療所を有機的に連携させることを目標に医療制度を改革してきました。

当院も「病院と診療所のシームレスな連携」を掲げてきました。

病院と診療所がきちんと連携すれば、珍しい疾患も診療所で診断できるし、遠くまで行かなくても地元で治療してもらえるということを示せたと思います。コロナ流行があっても構想実現に向けて地道に努力を積み重ねていきたいと思います。

 

オンライン診療を開始しました。

5/8よりメールによるオンライン診療を開始しました。もちろん保険診療です。

 

必要な写真や事項を添付・記載して下記メールアドレスにメールを送付してください。

<アドレス>

info@shv-clinic.com

 

<必要事項>

住所のわかる身分証明証の写真(運転免許証など)

保険証の表面と裏面の両方の写真

静脈瘤の写真

氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号(自宅、携帯)、症状の経過を箇条書きで簡潔に記載。パソコンからの別メールでも可です。

 

<やり方>

1.スマホで身分証明証、保険証の裏表を撮影。

2.下肢静脈瘤を撮影

3.必要な写真を添付したメールをスマホから上記アドレスに送付。

4.氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号(自宅、携帯)、症状の経過を箇条書きで簡潔に記載したメールをスマホから送付。文章のタイプが楽ならパソコンからでもOK。

5.数営業日で返事が来るのでメールでやり取り。支払いの案内に従って会計。

 

現在、メールアドレスが自動入力されるQRコード等を記載したオンライン診療のためのページを作成中です。もう少しお待ちください。

 

 

足がむくむ、つる、張るという症状について

今回はメール等でお問い合わせがあったことについて述べたいと思います。

 

足がむくむ、つる、張るという症状には様々な原因がありますが、下肢静脈瘤が原因のことがあります。

下肢静脈瘤の本態は伏在静脈や不全穿通枝の逆流による静脈圧上昇です。静脈圧が上昇するとその逃げ道をもとめて、皮膚表面の血流が増加し、表在静脈が拡張して瘤(こぶ)状になります。表在静脈の瘤状拡張はあくまでも二次的なものです。一般の方は外からしか見えないので表面の瘤があるかないかで下肢静脈瘤を判定しがちですが、それは誤りです。専門医はその奥にある伏在静脈や不全穿通枝の存在を超音波検査やCTなどで診断しています。

 

初期の静脈瘤では伏在静脈や不全穿通枝が逆流して静脈圧は上昇していますが、表在血管は拡張していないときもあります。このような時は漠然とした足がむくむ、つる、張るという症状のみが存在しています。また、逆に重症の下肢静脈瘤では皮膚表面の血管拡張がわからなくなることもあります。これは皮膚の炎症が進んで足が腫れあがってマスクされてしまうためです。

 

もちろん上記の症状がすべて下肢静脈瘤のためとは限りません。深部静脈血栓症のときもあるし、腰部脊柱管狭窄症のときもあるし、血栓塞栓症のときもあるし、閉塞性動脈硬化症のときもあるし、膝窩動脈捕捉症候群のときもあるし、膝窩動脈外膜嚢胞のときもあるし、バージャー病のときもあります。肥満や冷え症のときもあります。さらには複数のものが合併している時もあります。血管外科を長くやっているとそれなりに色々なことに遭遇してきているので、拝見しないとなんとも言えないのが率直なところです。

 

次に、仮に初期の下肢静脈瘤だったとして治療の話に移ります。

明らかな伏在静脈や不全穿通枝の逆流が確認され、症状が日常生活に影響を及ぼしている場合には手術を考慮します。多くの場合でレーザー手術で問題ありません。また、初期の場合は手術も短時間で済むことが多いです。うっ滞性皮膚炎などに重症化してから下肢静脈瘤手術を受けに来る方が多いのですが、本当は初期で手術をした方がやる方も受ける方も楽です。

伏在静脈や不全穿通枝の逆流がごく軽度の場合や逆流はあるんだけれど何らかの事情で手術を受けられない場合には手術以外の手段で生活に支障をきたさない対策法を探ります。そのような対策法で満足出来ない場合には改めて手術の可能性を探ることになると思います。

 

伏在静脈や不全穿通枝の逆流が全く無いときは、まずは他の原因を探るのが妥当だと思います。さきほど列挙した別の病気はまた別の詳しい検査が必要になります。これはまったくもってケースバイケースですので、ここではとても書ききれないので割愛します。

 

ざっとさわりを述べるとこんな感じです。こういったことを患者さんが部屋に入った瞬間から観察しながら判断しているわけです。

 

平塚市民病院でワークショップ

本日は平塚市民病院で血管内治療ワークショップがありました。

 

このワークショップは私が市民病院にいた時代に慶応義塾大学医学部放射線科の井上政則先生と屋代英樹先生とで始めたものです。

 

当時、3人で「平塚市民病院の血管外科と放射線科で世界でも一流の血管内治療を提供しよう」と青臭い野望を抱いて夜昼と無く働き続けました。病院でひたすらに働く一方で、国内学会にも積極的に参加し、ドイツのライプチヒの学会にも参加して世界トップレベルの治療を見学してきました。

 

そういった活動の一環として国内の一流医師を平塚にお招きして平塚市民病院でワークショップを開催し、手術をやっていただきました。同じ環境で自分達と一流医師がどう違うのか、自分達が整えた環境には何が足りないのかを検討しフィードバックしました。患者さんにはワークショップの趣旨を説明し、協力をお願いしました。皆様にはご快諾をいただきました。遠くまで一流のドクターに会いに行くのが普通なのに、向こうから来てくれるのだから悪い話のわけがありません。

 

今日は当院から紹介した患者さん二人をワークショップで治療していただきました。

私も自分の手術が終わった後の昼休みにクリニックを抜け出して先生方にご挨拶とお礼に伺いました。

 

平塚市の医療体制は残念ながら完璧ではありませんが、少しでも良くしようと現場で頑張っている人たちが沢山いることを平塚市の皆様には知っていただきたいと思いました。

冷え症 その5

動脈にも静脈にも異常がない場合には血流低下はないといったんは考えて差し支えありません。

では何に問題があると思いますか?
一つの可能性は神経です。

人間の感覚は神経に支配されています。
末端の受容器で刺激を受取り、末梢神経を伝わり、脊髄を登っていき、最後に脳で認識します。

この流れのどこかで神経に圧迫が加わわると、神経はその上流で痛みがあるかのように錯覚を起こします。
例えば、脊柱管狭窄症では腰に異常があるのに、足に痛みが生じます。
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_spinal_stenosis.html

脊柱菅狭窄症では神経が原因で足がしびれる、痛い、じんじんするなどの症状が生じます。
血管外科を受診される患者様で脊柱菅狭窄症を持っている方は沢山います。

一方で、脊柱菅狭窄症と診断されている患者様で、血管が原因で症状が生じている方も沢山います。
私がこれまでに勤めてきた病院でも整形外科からのご依頼が最も多かった印象です。

「足が冷える」と訴える患者様の多くが神経と血管の複合的要因で症状が出ていることが多いようです。
高齢者は複数の病気を抱えていることが普通です。一度に全部を完全に治すことはできなくても、ひとつずつ治して、少しでも症状が軽くなって生活の質が落ちないようにすることが大事だと思います。

それでは動脈、静脈、神経にも異常がなくて、それでも症状がある場合はどうなるのでしょうか?

クリニック概要

医院名 湘南平塚下肢静脈瘤クリニック
診療科目 内科・血管外科
住所 〒254-0043
神奈川県平塚市紅谷町14-20 FT共同ビル3F
TEL JR東海道・湘南新宿線「平塚駅」北口・西口より
徒歩3分
電話 0463-74-6694
休診日 日曜日、祭日、土曜日午後
診療時間 日・祝
9:00~
12:00
13:00~
18:00

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