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湘南平塚下肢静脈瘤クリニックブログ

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秋好院長ブログ

緊急事態宣言と下肢静脈瘤

二度目の緊急事態宣言が延長されました。

昨年の初回緊急事態宣言ではどう対応するべきか誰もが手探りでしたが、今回は二回目ということもあり、そこそこうまく対応できました。

二回の緊急事態宣言、外出自粛の一年間を通じての感想を述べてみたいと思います。

1.重症例の受診が増えた。

これには2つの可能性があります。一つの可能性は緊急事態宣言・外出自粛では不要不急の受診を控えるので重症例しか受診しないので相対的に上昇したということです。もう一つの可能性は、休業やリモート化によって今まで我慢していた人たちが受診できるようになったということです。これは絶対数の増加です。

2.軽症例が減るわけではない。

政府によって不要不急の受診を控えるように指示が出されましたが、それによって不要不急の受診が減るということはありませんでした。どちらかというと、「医療機関でうつされるのが怖い」と、本来は受診するべき人まで受診を控えてしまったのが現実です。残念ですが、これは下肢静脈瘤に限らず、癌や狭心症や心筋梗塞などでも同様な事例があるようです。

3.閑散期である秋冬に重症例を中心に多数の受診があった。

下肢静脈瘤の相談の7割は夏期にいらっしゃいます。夏には症状が目立つ・ひどくなるためにどうしても夏期に集中します。ところが、今年は閑散期である秋冬にもポツポツと重症例が受診しました。一様に、コロナが怖くて受診を控えていた、本当はもっと早く相談したかったとおっしゃいます。

1.-3.の経験から、手術をするのはワクチン接種後でも構わないと思うのですが、感染者増加が低下している時期を狙って受診・相談は早めにした方がいいのではないかと思います。コロナがすぐに完全ゼロになるとは考えにくいのが現実です。そのような状況のなかで、自身の健康をマネージメントするには、専門医を受診したうえで、対処法等を学んで悪化にブレーキを踏んでおいたほうがよいと思います。

12/24-1/5は休診です。

本日をもって2020年の診察を終了しました。

当院の基本方針として、クリスマスと年末年始はスタッフがご家族で心おきなく過ごせるように長期の休みをとります。

普段、ご家族からスタッフをお借りしているわけです。家族が揃う年末年始ぐらいは仕事の心配をせずにゆっくり過ごしてほしいということです。

 

今年は当院の静脈瘤診療もコロナに大きな影響を受けました。例年だと患者が殺到する春季と夏季はコロナの不安がマックスであったために受診控えが起きました。一方で、夏季に受診を控えた患者の静脈瘤は確実に悪化し、例年なら閑散期となる秋季と冬季にも皮膚炎や潰瘍の患者が多数受診しました。

 

受診行動にはワイドショーが大きな影響を与えることがわかりました。ワイドショーのコロナ報道が過熱すると受診がピタッと止みます。そして、ワイドショーがコロナ報道に飽きて芸能ネタを始めるとまた受診が増えます。

ワイドショーは公正な科学的な番組ではないし、報道番組ですらもありません。ワイドショーの多くは低俗で、バラエティ番組と大差ありません。

生命や健康を大事に思うのであれば、視聴率目当てのワイドショーに踊らされることなく、きちんと科学的に公平な判断を下していかなければならないと思います。この点については、啓蒙を続けていかなければならないと感じました。

 

一方で医療機関側にも努力が必要です。現行の仕組みではコロナの恐怖で受診を控えている患者を助けることができません。このため当院ではオンライン診療の本格導入に向けて動き出しました。この点については政府のオンライン診療恒久化の方針が助けになります。緊急事態宣言中にメールでのオンライン診療を開始したのですが、メールというのはなかなかハードルが高いというのが現実のようです。LINEでのオンライン診療を近々開始したいと思います。LINEであれば、より多くの人が簡単に相談できるようになります。しばらく様子をみてよい静脈瘤なのか、早めに手術したほうが良い状態なのかをテレビ電話で判断できます。遠方の患者も気軽に相談できるようになります。

 

2021年もより良い医療を提供できるように努力を続けたいと思います。

論文発表

下肢静脈瘤はコロナウィルス流行真っ最中に手術をする必要はありません。

一方で、コロナウィルスで夏に受診控えをしたために悪化して皮膚炎になった人が秋になってから数人来ました。

ご自分で判断するのは難しいと思いますが、適切なタイミングで受診はする必要はあります。

ポイントは皮膚のかゆみと黒ずみです。この2つは皮膚炎の症状であり、間違いなくやったほうがよいと思います。

ご自宅で経過観察をする場合でもかゆみと黒ずみには注意してほしいと思います。

 

さて、今年はコロナで受診が少なかったので、合間に論文を書いたりしました。その結果として、今年は論文二本が発表されました。

 

Incidence, diagnosis and treatment of popliteal artery entrapment syndrome in current vascular practice in Japan

Naoki Fujimura, Kyousuke Hosokawa, Hideaki Obara, Kimihiro Igari, Daijirou Akamatsu, Hidetoshi Matsumoto, Atsunori Asami, Shintaro Shibutani, Takurin Akiyoshi, Masao Nunokawa, Hirohisa Harada, Kyozo Inoue, Atsuhiro Koya, Tadashi Furuyama, Daisuke Sagara, Tsunehiro Shintani, Terutoshi Yamaoka, Yoshinobu Akiyama, Yoshinori Inoue, Katsuyuki Hoshina

Cardiovascular Intervention and Therapeutics

 

膝窩動脈捕捉症候群の2例

林 啓太, 秋好 沢林, 松原 健太郎, 長崎 和仁

日本心臓血管外科学会雑誌

 

一本目は平塚市民病院勤務時に参加した多施設共同研究の結果が英文論文となったものです。

二本目は当院で診断した膝窩動脈捕捉症候群を平塚市民病院で手術した結果をまとめたものです。

膝窩動脈捕捉症候群というのは非常に珍しい疾患で、診療所で診断がつくことはほとんどありません。

更に言ってしまえば、診療所の開業医が論文を書いたりすることもほとんどありません。

 

厚労省は地域医療構想の根幹として病院と診療所を有機的に連携させることを目標に医療制度を改革してきました。

当院も「病院と診療所のシームレスな連携」を掲げてきました。

病院と診療所がきちんと連携すれば、珍しい疾患も診療所で診断できるし、遠くまで行かなくても地元で治療してもらえるということを示せたと思います。コロナ流行があっても構想実現に向けて地道に努力を積み重ねていきたいと思います。

 

コロナ流行下におけるダイエットについて

先日、静脈瘤再発と肥満について説明しました。一方で、コロナ流行下においてダイエットをすることは勧めません。

実際、私自身もしていません。緊急事態宣言発令とともに意図的に炭水化物を多めに摂取し、体重を増やしています。おかげでズボンがきついです。

免疫力を維持するためです。

コロナ予防のためには、マスクも三密回避も大事だけど、最も大事なのは自己管理です。

 

コロナ期間でもダイエットを勧めているのは150cmで80Kgなど明らかな肥満例です。そういった方には減量を勧めた方がメリットも大きく、stay homeで食べ過ぎ飲み過ぎには注意してほしいと伝えています。

 

下肢静脈瘤も大事だけど、コロナ予防も大事です。下肢静脈瘤の進行予防はひとまずおいといて、まずはコロナ対策に注力したほうがよいと思います。

下肢静脈瘤は手術が必要になっても手術時間はせいぜい15分程度で終了しますのご安心ください。

再発を予防するには

静脈瘤再発を予防するために患者にできることはないか、とよく聞かれます。

 

結論から言うと、減量、減量、減量、です。

静脈瘤診療20年の個人的経験からも、臨床研究においても、肥満は静脈瘤再発の原因として挙げられます。

 

静脈瘤発生には立ち仕事という環境要因や家族歴などもありますが、不景気のこの世の中で静脈瘤のために転職なんて現実的ではないし、家族性があるからといって親兄弟の静脈瘤を治しても自分の再発がなくなるわけではありません。

弾性ストッキングを履き続けることで再発が減少する可能性は否定できませんが、はるかに涼しい北欧やカナダならともかく、日本の酷暑で履き続けるなんてことは現実的ではないと思います。

 

「患者にできること」と言ったら、減量しかないのも事実なのです。

 

具体的には身長(cm)から100を引いたぐらいに抑えるようにしましょう。150cmなら50kg、160cmなら60kgです。厳密な標準体重とは異なりますが、減量を実行に移すにはわかりやすさも大事です。

 

静脈瘤再発のリスクとなるような肥満では静脈瘤再発リスクだけでなく、脂肪肝や動脈硬化等のリスクも高くなります。

何はともあれ、減量を始めてみましょう。

クリニック概要

医院名 湘南平塚下肢静脈瘤クリニック
診療科目 内科・血管外科
住所 〒254-0043
神奈川県平塚市紅谷町14-20 FT共同ビル3F
TEL JR東海道・湘南新宿線「平塚駅」北口・西口より
徒歩3分
電話 0463-74-6694
休診日 日曜日、祭日、土曜日午後
診療時間 日・祝
9:00~
12:00
13:00~
18:00

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