秋好院長ブログ
緊急事態宣言下での診療について
投稿日:2020年4月8日 カテゴリー:お知らせ
緊急事態宣言下においても医療機関は社会生活を維持するのに必要な施設として営業が認められています。というより、社会を維持するために営業しないといけません。
現在、病院では感染者数増加時に対応するための余力を確保するために、緊急性のない事例については待機や延期を原則としています。当院は近隣の高次医療機関のサポートを行うために診療を続ける所存です。ただし、機能維持のためにいくつかの制限があります。
#発熱等の内科診療の停止。
#血管外科診療への集中。
#診療時間、診療日の変更。
#予約制の徹底
実際のところ、潰瘍や皮膚炎を形成したり血栓が出来た重症の静脈瘤患者がポツポツと来院しているのが現実であり、診療は続けないといけないと感じています。
今後も状況の変化等によっては変更が行われることがあります。地域医療を守るために皆様のご協力をお願いします。
4月から手術費用が安くなりました。
投稿日:2020年4月3日 カテゴリー:お知らせ, 下肢静脈瘤について
4月1日付けの診療報酬改定で下肢静脈瘤に対するレーザー治療の診療報酬(価格)が大きく下がりました。
自己負担3割の方では窓口で窓口負担目安は次のようになります。
3月まで
片足手術 50000円前後、両足手術 100000円前後 (薬局での薬代は別)
4月から
片足手術 40000円前後、両足手術 70000円前後 (薬局での薬代は別)
両足手術では3万円も下がるので現役世代の方には大変な朗報と言えます。
また、グルー手術も4月から健康保険で受けることができるようになりました。
ただし、グルー手術はレーザー手術より高額になります。
片足手術で50000円前後、両足手術で100000円前後の窓口負担となります。(自己負担3割の場合)
グルー手術とレーザー手術で30000円の違いがあるわけですが、それだけの価値が現時点であるかというと、率直に申し上げて不明です。
旧式のレーザーや高周波治療よりはよいとは思いますが、細径ファイバーによる最新式レーザーと比べると優位性はないと考えています。
グルー治療については様子を見ながら行っていくのがよいと思います。
舌下免疫療法新規導入の一時休止
投稿日:2020年3月26日 カテゴリー:お知らせ
舌下免疫療法の新規導入は一時的に休止します。
舌下免疫療法の初回は院内で30分の経過観察が義務付けられています。
感染予防のために院内滞在時間を可及的に少なくするためです。
導入済みで継続処方の方は問題ありません。今まで通りに処方できますのでご安心ください。
3/28 臨時休診
投稿日:2020年3月26日 カテゴリー:お知らせ
神奈川県知事の外出自粛要請に協力するために3/28は臨時休診としました。
既に予約されている患者様への連絡、ネット予約システムについては現在連絡中です。
ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくおねがいします。
<3/27追記>
昨日は県知事の要請に応えるための急遽の決定であったので、説明不足でした。ここに追記します。
都知事、県知事の外出自粛要請には様々な意見があることは承知しています。ここでそれを論じることはしません。
ただ、弱者を感染から守るためにはなんらかの施策が必要であることは間違いありません。医療機関として行政の要請に応えるのは当然の責務と思われます。当院が休診すれば患者、家族、従業員であわせて約50名の移動を抑制できます。その多くは高齢者であり、彼らを感染から守る効果は少なからずあるはずです。そのための決定です。
予約変更のために連絡しましたが、多くの患者様には快く変更を受け入れていただきました。今回の決定に批判もなかったわけではありません。「仕事の都合がつくのはその日しかない」「早く治療を受けたい」という気持ちはよくわかります。ただし、今回は弱者保護を優先したいと思います。
感染対策と併行して通常医療も維持しなくてはなりません。平日の外来と手術は今まで通りに行っています。早く治療を受けたいという方は平日の受診をおすすめします。幸いなことにコロナ騒動で静脈瘤どころではない方が多いので、今だけは翌週には手術が出来ることが多いです。(通常は1−2ヶ月待ちです。)
平日のロックダウンが決定されれば当院に限らず通常医療も維持は困難になります。ロックダウンを回避するためにも、週末の外出規制は最大限の協力をしたいと思います。
最後にこの場を借りて発熱の患者様にお願いがあります。現在、多くのクリニックでは発熱での受診にはある種の規制が設けられています。クリニックの構造や運営によって様々ですが、入り口を別にして他の患者様と一緒にならないようにしたり、時間をずらしています。これは「診察拒否」ではなく、「感染抑制のための措置」です。感染が疑われるような場合には行政の窓口へ電話することを案内されることもあります。これは、万が一にも感染が判明した場合に、感染経路を追跡したり、適切な保護を行うための取り決めです。発熱で受診を希望される場合には、どこのクリニックであっても、事前に電話をして相談するようにしてください。事前に相談があれば、たいていのクリニックでは相談にのってくれます。「自分の都合のよい時間じゃないから」「ネット予約であれば発熱だとばれないから」「行政への電話がめんどくさいから」という理由で、連絡なしで受診するのは控えてください。
下肢静脈瘤と男女差
投稿日:2020年2月21日 カテゴリー:下肢静脈瘤について
下肢静脈瘤は女性に多いと一般には言われています。教科書でもそう書いてありますし、NHKの医療番組でもそのように説明されていたとのことです。
昔はそうだったけど、そうでもなくなっているというのが現場の実感です。
昔は女性が6人ぐらいの子供を生むのはざらでした。妊娠・出産は静脈瘤発生のリスクファクターですので妊娠・出産の回数が増えれば当然ながら静脈瘤発生のリスクは上昇します。現在は少子化で出産や妊娠の回数はぐっと少なくなりました。その分だけ静脈瘤発生のリスクは減ったと思われます。
次に男性側の要因です。一言でいうと半ズボンです。30年前は社会人の男性が普段着として半ズボンを履くことは珍しかったと記憶しています。また、20年前ぐらいの高齢男性は「どうせ長ズボンだから別にいいよ」と手術を希望しない方も多かったですし、そもそもが他人に指摘されない、あるいは恥ずかしがってずっと長ズボンで隠していることも多かった。今は夏になるとみんな半ズボンです。その分だけ受診するようになったと感じます。
男女側それぞれの要因で、発生頻度の男女差がなくなりつつあると感じます。ただ、静脈瘤と自覚して外来に来る人だけをカウントしていますので、実際のところは誰にもわかりません。潜在的には逆転しているのかもしれないし、やっぱり女性の方がずっと多いのかもしれません。
治療する側からすると、どっちでもいいというのが本音です。男性だからといって治療を恥ずかしがる理由はないので、堂々と受診すればいいし、女性だからといってなんでもかんでも治す必要はないです。困っていることに男女は関係ないよ、と思います。