秋好院長ブログ
足の痛みと静脈瘤 その2
投稿日:2018年10月18日 カテゴリー:お知らせ, 下肢静脈瘤について
さて、静脈瘤以外で足が痛くなる原因として他になにがあるでしょうか?
ここからは科ごとにわけて考えてみましょう。科ごとにわけて考えれば、静脈瘤の治療の前後あるいは並行して行く科がわかりますので便利だと思います。
まずは整形外科です。というのは、高齢化社会を反映して整形外科的疾患を抱えている人が多いからです。
若い人だったら症状を出さないような程度の静脈瘤でも、筋力が低下し、関節に不安を抱えている高齢者だと話は別です。ちょっと足が重くなるだけで、階段を登るのが億劫になる、外出が面倒になって引きこもるということになります。「高齢者の静脈瘤は手術する必要ない」ということを仰るドクターもいますが、それはいかがでしょうか。高齢者だからこそ、軽度な静脈瘤でも行動の妨げになることもあるようです。
では、整形外科的疾患で足の痛み、特に静脈瘤による痛みと混同しやすい痛みはなんでしょうか?
頻度として多いものは膝関節と脊柱管狭窄症です。
高齢による膝の痛みはピンとくると思います。
脊柱管狭窄症とは、背骨の中を通っている脊髄から出る神経がなんらかのきっかけで圧迫されることです。圧迫・刺激を受けた神経の支配領域に痛みや違和感があるように脳が判断します。難しいのは、「痛み」というのは外から見てもわからないことです。その痛みが膝からくるのか、腰からくるのか、静脈瘤からくるのかは本人にはわからないし、ドクターが専門知識、経験を動員してもわからないことがあります。
このような場合は患者と相談して治療を組み立てます。
多くの高齢者にとって大事なことは、明日も来週も元気に歩けることであり、残った時間を有意義に過ごすことです。そのためには完璧な診断・治療よりも妥協してでも手軽に手っ取り早く症状を緩和することが優先になるときもあります。患者ごとにケース・バイ・ケースで判断するしかありません。
次回は皮膚科の疾患です。