秋好院長ブログ
勉強会での講演
投稿日:2018年2月27日 カテゴリー:お知らせ, 下肢静脈瘤について, 勉強会・講習会のお知らせ, 日記
昨日はある勉強会で「下肢静脈瘤の最新の治療」ということで講演をしました。
当院の行っている治療、また、レーザー治療の未来と課題についてお話しました。
また、京都からいらっしゃった高名な循環器内科の先生の特別講演も拝聴しました。とても勉強になりました。伏見スタディという日本発の有意義な研究を率いている方なのですが、湘南・平塚でもそういう臨床研究が出来たらいいな、と思いました。
とても有意義な会でしたが、反省点も2つ。
1.演者にも関わらず、ネクタイとスーツを忘れてしまった。出勤後にはっと気づき、ありあわせのジャケットとチノパンツで出席しましたが、他の演者の方はびしっとしたスーツなのに、一人で真冬にクールビズという失態を犯してしまった。
2.会場を見渡したら、カジュアルな方も多く、一般の方も多いように勝手に勘違い。「私もノーネクタイですが、皆さんもカジュアルですよね?一般の方や患者さんも多いようですので、分かり易く、噛み砕いてお話したいと思います」と壇上で宣言してしまった。後で聞いたら、全員が先輩開業医だった。
保守的で年功序列が色濃く残る医療界で、地雷原をまっすぐに渡ってしまったような気分です。
そんな気分でしたが、終わった後に患者さんの相談やご自身の相談を幾つか受けました。医療従事者も含めて静脈瘤で悩んでいる人は多いこと、周りに相談出来る人がいなくて医療従事者自身が困っているんだな、ということを実感しました。明日からまた頑張って外来をやろうと思いました。
細径ファイバーの使用感
投稿日:2018年2月19日 カテゴリー:下肢静脈瘤について
今回はかなりオタクな話題です。
前回、細径ファイバーの初使用についてご報告しました。
当初は品薄だったのですが、供給も安定してきて当院では特殊なケースを除いて細径ファイバーのみを使用することにしました。
とにかく傷が小さいことがその理由です。従来のレーザーファイバーも十分に細かったのですが、細径ファイバーはさらに細いので点滴の針に入ります。当院では術後1週間後に傷の具合を拝見しますが、その時にはもう傷がわからなくなっています。点滴の傷も1週間もすれば殆どの人はわからなくなりますよね。同じことです。恥ずかしながら傷を探してしまいました。
私が17年前に下肢静脈瘤の治療を開始した時にはこんなことは想像もできませんでした。当時は入院のうえで全身麻酔で傷が大きいのが当たり前、そのなかで自分達は傷を小さくして入院期間も短いのが自慢でした。今では日帰り手術が当たり前で傷も針穴です。
医学の進歩はすごいですね。
下肢静脈瘤手術のベストシーズンはいつか?
投稿日:2018年2月7日 カテゴリー:下肢静脈瘤について, 当院での治療例
患者さんと話しているうえでよく話題になるのが、いつ手術するかです。
夏と冬の手術を比べると冬の手術の方がずっと楽です。
理由1 弾性包帯や弾性ストッキングでかぶれない。
下肢静脈瘤術後は弾性包帯と弾性ストッキングを着用します。夏はこれが暑い!そして、かぶれたり、あせもになります。
どの患者さんも夏は弾性ストッキングの文句をいいます。これに対して、冬は誰も文句を言いません。「寒かったからちょうどいい」という声すらあります。
理由2 混んでない。手術日の融通がきく。
夏になると下肢静脈瘤クリニックは繁忙期に入ります。スカートや半ズボンで他の人に指摘される機会が増えるためです。また、テレビ番組でも特集が組まれることが多いので、テレビを見た方からの問い合わせが急増します。手術の予約どころか診察の予約をするのも一苦労になります。
一般の内科診療所は冬はインフルエンザや風邪でごった返しますが、下肢静脈瘤クリニックは冬はそれほど混雑しません。待ち時間も少ないです。(インフルエンザワクチンやインフルエンザチェックの穴場になるので、それを狙って来る人がいるぐらいです。)
夏になるとどの下肢静脈瘤クリニックも手術待ちが1ヶ月や2ヶ月はあたりまえですが、冬ならば仕事にあわせて手術日の都合もつけやすいです。
理由3 通院が楽。
当院は湘南エリアにあります。夏休みシーズンは行楽客で道路の渋滞があります。
平塚市内や秦野・小田原〜茅ヶ崎の患者さんなら問題はありませんが、それより遠方になると渋滞で一苦労のようです。
遠方の患者さんは冬の間の受診がお勧めです。
理由4 春夏にスカートや半ズボンを履くのに間に合う。
下肢静脈瘤の手術後は軽く内出血します。この内出血は1週間目ぐらいがピークで一ヶ月間でほとんど消えます。見た目だけの問題で痛みはありません。しかし、女性の患者さんですと見た目を気にしますので、この期間は長ズボンを履くようです。
冬の間に手術をすれば、どのみち長ズボンを履いているので内出血は関係ありません。しかも、針穴の傷跡は2ヶ月もすればシミ程度になりますので、血管のボコボコが気になって履けなかったスカートや半ズボンが今年の春夏から履けるようになります。
まとめると、
冬の間に手術が出来る患者さんは冬の間にやるのがおすすめです。
特に、遠方の患者さんには冬の間がおすすめです。渋滞もなく、日程の融通もきくので、通院がとても楽です。
近場の患者さんや弾性ストッキングの暑さが気にならない患者さんはいつでも大丈夫なのかもしれません。その場合でも夏休み期間中等の手術を希望される方は早めの受診で手術枠を予約した方が楽だと思います。
手術の勉強
投稿日:2018年1月24日 カテゴリー:下肢静脈瘤について, 日記
この二週間ほどある先生のところに手術法の勉強に伺いました。
相手方に万が一にもご迷惑をおかけすると申し訳ないのでお名前は伏せますが、大変に素晴らしい手術でした。
独自の理論を構築されており、現在の学会での主流の学説では説明出来ない事象や症状を解決しうる方法でした。
ガリレオの「それでも地球は回る」という逸話にも象徴されるように、真実や事実というのは多数決や権威で決められるものではないものです。学会や行政の無理解にも負けずにご自分の信念を貫かれる姿勢には感銘を受けました。自分も見習いたいと思います。
また、井の中の蛙にはなってはいけないとの思いを新たにしました。クリニックオープン前にも色々な施設を見学して、色々と良いところを学びました。そのハイブリッドが今のクリニックの姿ですが、今後も休診日を利用して色々と吸収してよりよりクリニックを作りたいと思いました。
足がつる人にカルニチン
投稿日:2017年11月8日 カテゴリー:お知らせ, 下肢静脈瘤について
下肢静脈瘤で足がつるのは有名な話です。下肢静脈瘤の手術をするとスッキリと治る人がほとんどです。
しかし、下肢静脈瘤がないのに足がつる人がいるのも事実です。漢方薬が有効なことが多いですが、漢方薬を使っても治らない人もいます。
そんな方にはカルニチンです。カルニチン欠乏症によって足がつっているのかもしれません。
カルニチンという言葉に耳慣れない人がほとんどだと思います。
カルニチンはそのほとんどが骨格筋に存在しています。しかも、体内の合成だけでは不足し、大半は赤身肉から摂取されます。噛む力が弱くなった高齢者や野菜中心の生活の人はカルニチンが不足しがちです。そのために足がつることもあるようです。
ただし、下肢静脈瘤で足がつっている方はカルニチンを飲んでも効きません。原因が異なるからです。まずは下肢静脈瘤をきちんと治療してからカルニチンや漢方薬を飲むようにしましょう。
もちろん保険適応です。当院でも処方することができます。