秋好院長ブログ
当院はお盆休みもやっています。
当院はお盆休みもやっています。夏は新規の方が多いので、休み明けに殺到してかえって自分の首を締めるためです。
そのかわりに新規来院が一段落する9月中旬以降にまとまって休みをとります。
とはいえ休みなしでは体が持たないので、山の日などの祝日は暦通りに休みとしています。
山の日を利用して韓国に行ってきました。韓国は医療制度に特徴があり、学会などで触れて以前より関心を持っていました。特定の医療機関に症例を集中させることによって、医療の質を担保しているようです。人間の体には必ず例外があり、教科書通りであることの方が少ないのが現実です。外科医が簡単そうに手術しているのは決して当たり前のことではなく、それこそ何千何万という症例を直接的にあるいは間接的に経験して初めて可能なのです。そのためには特定の病院や医師へ症例を集中させるのが合理的です。一方で、症例を特定の医療機関に集中させるほど、患者にとってのアクセスは悪くなります。医療の質と患者にとってのイージーアクセスは本来は相反するのです。イージーアクセスを偏重するほど、症例が分散するので医師の経験値が低下して医療の質が低下します。
日本の医療システムはイージーアクセス偏重型です。予約もしないで専門医にふらっと会えるなんて海外では当たり前のことではありません。また、予約患者には診療時間が確保されている一方で診察費用は高額で、診察時間をオーバーすれば診療費用に加算されます。直前のキャンセルではキャンセル料が発生することすらもあります。海外においては専門医受診のハードルはそれだけ高いのが現実です。しかし、日本型医療システムのイージーアクセスが患者に安心感をもたらし、社会保障制度への信頼を生み出しているのも事実です。当院のような専門クリニックはそのギャップを埋めるために存在していると認識しています。今後もより良い医療をより身近にすべく努力したいと思います。
今回は韓国の医療システムの実情を探るために、あえてタクシーは使わずに地下鉄と自分の足で歩き回りました。へとへとになりましたが、どのような間隔で医療機関が配置されているのか、公共交通機関での通院の苦労はどうなのか、専門病院の規模など様々なことが実感としてよくわかりました。今後の運営に活かしたいと思いました。初めての韓国訪問が図らずも最悪の時期ではありましたが、日韓関係についても色々と考えるきっかけになりました。