秋好院長ブログ
論文発表
投稿日:2020年12月14日 カテゴリー:下肢静脈瘤について, 血管外科について, 閉塞性動脈硬化症について
下肢静脈瘤はコロナウィルス流行真っ最中に手術をする必要はありません。
一方で、コロナウィルスで夏に受診控えをしたために悪化して皮膚炎になった人が秋になってから数人来ました。
ご自分で判断するのは難しいと思いますが、適切なタイミングで受診はする必要はあります。
ポイントは皮膚のかゆみと黒ずみです。この2つは皮膚炎の症状であり、間違いなくやったほうがよいと思います。
ご自宅で経過観察をする場合でもかゆみと黒ずみには注意してほしいと思います。
さて、今年はコロナで受診が少なかったので、合間に論文を書いたりしました。その結果として、今年は論文二本が発表されました。
Incidence, diagnosis and treatment of popliteal artery entrapment syndrome in current vascular practice in Japan
Naoki Fujimura, Kyousuke Hosokawa, Hideaki Obara, Kimihiro Igari, Daijirou Akamatsu, Hidetoshi Matsumoto, Atsunori Asami, Shintaro Shibutani, Takurin Akiyoshi, Masao Nunokawa, Hirohisa Harada, Kyozo Inoue, Atsuhiro Koya, Tadashi Furuyama, Daisuke Sagara, Tsunehiro Shintani, Terutoshi Yamaoka, Yoshinobu Akiyama, Yoshinori Inoue, Katsuyuki Hoshina
Cardiovascular Intervention and Therapeutics
膝窩動脈捕捉症候群の2例
林 啓太, 秋好 沢林, 松原 健太郎, 長崎 和仁
日本心臓血管外科学会雑誌
一本目は平塚市民病院勤務時に参加した多施設共同研究の結果が英文論文となったものです。
二本目は当院で診断した膝窩動脈捕捉症候群を平塚市民病院で手術した結果をまとめたものです。
膝窩動脈捕捉症候群というのは非常に珍しい疾患で、診療所で診断がつくことはほとんどありません。
更に言ってしまえば、診療所の開業医が論文を書いたりすることもほとんどありません。
厚労省は地域医療構想の根幹として病院と診療所を有機的に連携させることを目標に医療制度を改革してきました。
当院も「病院と診療所のシームレスな連携」を掲げてきました。
病院と診療所がきちんと連携すれば、珍しい疾患も診療所で診断できるし、遠くまで行かなくても地元で治療してもらえるということを示せたと思います。コロナ流行があっても構想実現に向けて地道に努力を積み重ねていきたいと思います。