秋好院長ブログ
分院について
投稿日:2019年11月14日 カテゴリー:下肢静脈瘤について, 血管外科について
患者さんが集まってきて手術待ちが長くなると分院化の話が出てきます。遠方の患者さんから言われることもあります。
残念ですが、当院には分院はありませんし、分院化の計画もありません。名前が似ているクリニックはたくさんあるんですけどね。当院の名前は、患者さんがわかりやすいように、地名と病名を組み合わせただけなんで特に意味はありません(笑)。混同されて迷惑を被ったこともないことはないのですが、いまさら変更できないし、治療の質が名前で決まる訳でもないのでほっといてます。
いつもいつもラーメンの例えで恐縮なのですが、ラーメン屋さんはチェーン化すると味が落ちることがあります。
昔はもっと美味しかったのに、とか、昔はもっとチャーシューが厚切りだった、といったことも出てきます。
当たり前ですが、チェーン化するとラーメン作り以外のことにオーナーは忙殺されます。一番わかり易いのは従業員の労務管理です。スープや麺の出来なんて構ってられなくなります。また、様々な経験値の人が携わるようになるので、マニュアル化します。そうなるとラーメンの出来に外れはなくなるけど、「すごくおいしい」というのはなくなります。各自の判断で加減を調節することができないので、その日の天気やスープの出来にあわせることが出来なくなるのかなと想像しています。サービスでチャーシューを厚切りにすることも出来なくなるだろうし。
商売ならそれでいいと思いますが、医療となるとそうはいきません。誰だって自分を大事に診てほしいし、それぞれ体は違いますのでマニュアル化はできません。また、医療ではナースや医療事務は単なる従業員ではないです。それぞれが高度の専門知識や特殊技能をもっている専門職です。ナースや医療事務に対するハラスメントなどは絶対に許容されるべきではありませんし、当院では絶対に許しませんが、そういったことも分院化すると守りきれなくなります。
「目と手の届く範囲で、身の丈にあった商売が一番」とおっしゃったお寿司屋さんが京都にありましたが、まさにそのとおりだと思います。