秋好院長ブログ
日帰り手術のメリットとデメリット
投稿日:2017年10月11日 カテゴリー:下肢静脈瘤について, 当院での治療例
日帰り手術にはメリットとデメリットがあります。
メリット、デメリットそれぞれを列挙して考えてみましょう。
メリット
1.入院がいらない。
当たり前ですが、入院は要りません。介護している家族を預ける必要はないし、デイサービス等の手配をする必要もありません。仕事を休むのも半日で済みます。手術当日午後からいきなり肉体労働はしないほうがいいと思いますが、簡単な事務仕事は問題なく可能です。
2.医療費が安く済む。
日本の社会保障費は膨張を続けており、医療費抑制は政治的課題となっています。入院の場合の医療費は「手術手技料+入院費用」となっています。これに対して、日帰り手術では「手術手技料」だけで入院費用分を節約できます。当然ながら、保険組合側と患者側の支払い分は大きく減少します。
3.治療内容は入院と変わらない
日帰り手術だから入院治療と内容が変わるということはありません。手術の内容は全く変わりません。また、当院の特徴として診断、手術、フォローアップまで一人の医師(院長)が担当します。病院のように複数の医師が役割分担で担当することにも意味はありますが、静脈瘤の治療の場合には一人が担当する方がメリットは大きいようです。
4.自分自身の手術を見学することが出来る。
実話です(笑)。希望者限定ですが、目隠しを外してご自身の手術を見学することができます。手術は15分程度で終わってしまうので、大掛かりな全身麻酔は行いません。意識があるので、ご自身の手術を見学することも可能です。(あくまでも希望者限定ですが。)現在の医療は患者側の想像を超えていますので、事前にいくら説明しても完全にご理解いただくのは難しいのが現実です。百聞は一見にしかず。ご自分でご覧になるのが一番です。
5.術後すぐにベイスターズグッズを買いに関内へいける。
これも実話です(笑)。手術終了後にその足で関内へ行かれました。術後に生活制限はほとんどありません。術後に控えていただくのは正座・蹲踞(そんきょ)のような膝を曲げる姿勢を長時間とること、事故を起こした時の賠償責任問題を避けるために運転を控えることだけです。それ以外にはなにもありません。手術当日夜にいつも通りに8000歩も歩かれた方もいます。
6.手術翌日にバドミントンが出来る。
これまた実話です(笑)。静脈瘤の程度や手術の内容によりますが、術後の痛みはチクチクとした痛みだけのことがほとんどです。傷口も針穴程度ですので、すぐにシャワーを浴びることが出来ます。湯船につかるのは一週間程度は控えておきましょう。
デメリット
1.仕事を休めない
仕事を休まなくていいのはメリットではありますが、考え方は人それぞれです。日帰り手術を理由に一ヶ月以上に渡る長期の休みをとるのは難しいと思います。休んでもせいぜい一週間です。ほとんどの方は遅くても翌々日には仕事に復帰出来ています。
2.医療費が安く済んでしまう
これは考え方の問題です。日本の保険医療制度は複雑であり、自己負担割合や自己負担限度額などは収入や年齢によって様々です。医療費の金額に注意を払わない方もいらっしゃると思います。なんでもかんでも検査して、やたらと薬を希望する方もいます。これは患者側と医療側の双方のマナーの問題ですので、不必要な手術や投薬を避けるようにこちらからお話しています。
3.「入院」というイベントがない
「入院」というのは一大イベントです。ご本人にその気がないのに、周囲が騒いでしまうことがあります。世話焼き程度ならともかく、明らかに度を越したおせっかいということは多々あります。本人はともかくとして、イベント好きの周りの人にとって物足りないでしょう。あまり大騒ぎをしたくない、家族に迷惑をかけたくない方にとってはメリットかもしれません。
4.手術当日は運転が出来ない
手術当日だけは運転は控えてください。これは医学的な問題というより法的な問題です。手術当日は下肢に包帯を巻いてストッキングで圧迫するので、わずかに脚を動かしづらくなります。交通事故を起こさないためにも運転だけは控えてください。
当院はデメリットの多くは解決可能と考えています。
メリットがデメリットを大きく上回ると考えていますので、日帰り手術を推進すべきと考えています。
普通に考えたら、入院がいらなくて、時間が短くて、医療費が安くて、大騒ぎする必要もない、それで手術内容が同じだったら、日帰り手術ですよね。。ちょっとチクチクするぐらいは15分間だけ我慢すればいいですよね。。
みなさんはどう思いますか?