秋好院長ブログ
高齢者の腹部大動脈瘤
投稿日:2017年6月3日 カテゴリー:当院での治療例, 腹部大動脈瘤について, 足のむくみ
この患者様は足のむくみで受診された患者様でした。
その日のうちに超音波検査をやって深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)がないことは確認しました。お腹の中の静脈(腸骨静脈)に血栓があるかを確認したところ、腹部大動脈瘤があることが分かりました。
ご家族にお話を伺ったところ、入院した病院で以前にも指摘されたことがあるがフォローアップは受けていないとのこと。こちらから病院にコンタクトをとって状況を確認する共に、CTを取り寄せました。
たしかにCTにも腹部大動脈瘤が写っています。腹部大動脈瘤の内側についている血栓が血流にのって流れて、細い動脈を詰まらせていたことが前回の入院の原因でした。(Blue toe症候群)ただし、高齢で手術を希望されなかったので、外来ではフォローアップされずに宙ぶらりんになっているようでした。
リスクの大きさと比べてご本人の体力やご家庭の状況を鑑みると手術はやはり現実的ではないということで意見が一致しました。当院でフォローアップを行い、必要時には病院へ改めて紹介することにしました。
現在の医療は高度な治療を行う病院とプライマリーケアを行う診療所の連携(病診連携)がとても重要です。ただ、一般の診療所ではなかなか難しいケースもあります。このようなケースでは地域に密着した専門クリニックがお役にたてると実感したケースでした。