秋好院長ブログ
着圧ソックス、弾性ストッキングの選び方
投稿日:2018年7月5日 カテゴリー:お知らせ
当院にはいらっしゃる患者さんで着圧ストッキングや弾性ストッキングの経験者の患者さんがたくさんいらっしゃいます。
ほとんど異口同音に「効果なかった、履けない」とおっしゃいます。また、様々な種類の弾性ストッキングの中でどれがいいのかと相談を受けます。
当院では年間に1000本以上の足に弾性ストッキングを履かせています。看護師さんたちにお願いしていますが、慣れているために非常に上手です。指導も上手なので、今までに履けなかった人も履けるようになります。やっぱりコツがあるようです。
ポイントをまとめてしまうと以下のようになります。
1.サイズをきちんと合わせる。
着圧ソックスや弾性ストッキングが効果を発揮するには適切な圧力が必要です。多くの弾性ストッキングでは足首の周りを測定してサイズを選びます。ところが、自己購入した患者さんで足首周りを測定している人はみたことがありません。適当にSMLから選んでいるようです。これでは意味がありません。きつすぎるものは履けないので意味がないですし、緩すぎるものはルーズソックスです。
2.種類はどれでもいい。
弾性ストッキングには無数の種類があります。我々のような専門家になれば、圧の強さを選んだり、つま先あり・なし、ハイソックス・ストッキングタイプなどから選びますが、一般の人には関係ないと思います。当院で使用しているものは手術後の圧迫のためにもっとも確実なものを選んでいます。種類にこだわらずに、サイズにこだわりましょう。
3.補助器具を使う。
高齢の方は腕の力が落ちているので、なかなか履けません。しかし、補助器具を使うとスルッと履けるようになります。補助器具はそこそこの値段がするので全員におすすめしているわけではありませんが、効果は抜群です。
大事なことはとにかく履くことなんです。買っただけで満足してはいけないということです。そして履き続けること。
参考になるように当院で使用している弾性ストッキングは待合室のウォーターサーバーの横に展示してあります。
興味のある方は待ち時間にご覧になってください。また、サイズ測定や種類の相談なども承りますので遠慮なくおっしゃってください。
七夕祭り
投稿日:2018年6月30日 カテゴリー:お知らせ
平塚の七夕祭りもいよいよカウントダウンです。
七夕祭り期間中は当院は休診となります。あまりの混雑で通院不能だからです。
ネット予約システムは七夕期間中も稼働していますので、ご利用ください。(電話予約は休診中は使えません。)
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
6月が終わりました。
今日で6月の最後の手術日が終わりました。今月も全件で無事故で手術が終わって良かったです。
ただ、反省点もありました。
6月は繁忙期で患者さんが殺到するので、外来枠等の調整である程度は準備していたのですが、それをはるかに上回ってしまいました。
結果として、スタッフにかなりの負担がかかったのはもちろんですが、私自身も外来でかなりあたふたしてしまいました。
もともと外来予約数を通常の医院の半数程度とかなりしぼってあり、一人あたりの時間を長めに設定してあります。しかし、予約外の患者さんが押し寄せると収拾不能になってしまいます。改めて予約をとって来ていただくようにご案内しているのですが、遠方からいらっしゃっている患者さんではそうもいかず、「きちんと説明したい」という気持ちと生来のせっかち故の「早くしなきゃ」という気持ちでごちゃごちゃになってしまいました。毎日、夕方になるとくたくたでした。まだまだ修行が必要なようです。
一部の予約患者さんにはご迷惑をおかけしたと思います。この場を借りてお詫びしたいと思います。
また、電話、ネットのどちらでも結構ですので、予約をとってから来院することを皆様に改めてお願いしたいと思います。
手術は万全の体調で余裕を持ってできるように午前中いっぱいを割いていますので、安心していただいて大丈夫です。
こちらは無事故記録を更新中ですのでご安心ください。
静脈瘤は「治療不要」というのは本当なの? その1
投稿日:2018年6月13日 カテゴリー:お知らせ, 下肢静脈瘤について
刺激的なタイトルですが、重要な話です。
この半年間で小田原・湯河原・熱海方面から静脈瘤が重症化した人が数多く来院されました。重症のうっ滞性皮膚炎で足が真っ黒になった人や皮膚がえぐれて潰瘍になっている人たちが何人も来ました。一昔前までは平塚からもそのような患者さんは年にぽつぽつといましたが、最近は珍しくなっています。
いずれの患者さんも「かかりつけの先生に見てもらったときに治療不要と言われたからほっておいた」「同じように静脈瘤を持っている知り合いが治療不要とかかりつけの先生にいわれたから自分も大丈夫だと思った」と、過去に「治療不要」と言われたとおっしゃいます。
かかりつけの先生のおっしゃっていることは決して間違いではありません。ただし、それは「静脈瘤は決して自然には良くならない、じわじわと進行する、最後には皮膚炎や潰瘍となって痕が残る」ということを見落としています。皮膚炎や潰瘍になってから静脈瘤の治療をしてもなんとか治りますが、時間がかかる上に医療費はかかります。率直にいって、ほんとーーーーーーっに大変です。重症の下肢静脈瘤の治療を自分でなさったことのない方にはわからないと思います。
もう一つのファクターとしては過去の教科書にはそのように書いてあったからです。昔の静脈瘤の治療は全身麻酔・腰椎麻酔の手術で一週間入院はざらでした。傷も大きく、傷跡も残りました。メリットとデメリットを比べると、相当の重症でない限りはメリットがデメリットを上回りません。昔の教科書にはそのように書いてありました。しかし、レーザー治療の発達によって静脈瘤の治療は大きく変わりました。現在の静脈瘤治療は局所麻酔、日帰り手術、傷跡は針穴が当たり前です。我々のような静脈瘤専門家にとっては当たり前のことですし、海外の最新のガイドラインにはきちんと載っていますが、日本のほとんどのかかりつけ医は知らないはずです。残念ながら日本の一般的な教科書の多くはそこまでキチンとは書いてないのが現実です。
そうはいっても、かかりつけ医側にしてみれば、「治療不要」と伝えたのは10年以上前の話であって、状況が変わったのなら改めて相談に来るべきだという言い分になります。一方で患者側にしてみれば、「治療不要」と言ったのが悪いということになります。これは理解の乖離としか言いようがありませんが、どちらが悪いというわけではなく、人間同士のコミュニケーションの限界なのだと思います。
当院ではきちんとエコー等で検査をした上で手術の対象となる静脈瘤がその時点で存在するかを正確に判断します。また、現時点で治療対象となる静脈瘤がない場合には、そのまま帰すのではなく将来の見込みについても説明し、どのような症状が現れたら再受診をするべきかを説明します。遠方からいらしていて、周囲に専門クリニックがない状況の患者では、そこまでしないとのちのちに重症化させてしまうからです。
次回は、どの時点になったら下肢静脈瘤専門医(=血管外科医)を受診したほうがいいか、についてお話します。
6月11日休診
6月11日は月に一度のリフレッシュ休暇のために休診とさせていただきます。
働き方改革が論議されていますが、多くのクリニックは少数精鋭のためなかなか難しいのが現実です。
「他人の健康に責任を持つためには、まず自分の健康に配慮しなくてはいけない」という考えのもと、当院では開院当初より月に一度は連休をとって心身ともにリフレッシュすることを心がけています。また、医療従事者が積み重ねた経験や技術が継続的な労働を通じて世の中にきちんと還元されるためにも、医療従事者こそきちんと休むべきと考えています。
ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いします。