秋好院長ブログ
通勤時の足のだるさと下肢静脈瘤
投稿日:2020年8月21日 カテゴリー:下肢静脈瘤について, 血管外科について
下肢静脈瘤は高齢女性に多い病気であるのは事実ですが、現役世代の男性でもなることは多いです。
その際に問題となる症状は通勤時の足のだるさです。
現役世代の男性は筋力を保っていますので、下腿の筋肉ポンプは正常に機能します。
ただし、通勤中は立位や座位でじっとしているため、筋肉ポンプは作動しません。このため、通勤中は足のだるさが出やすいと考えられます。
帰宅時には特にこの症状が辛くなるようです。これは静脈瘤に共通した症状で、夕方になると足のだるさ、重さ、むくみが強くなります。
対処方法としては以下の2つが考えられます。
1.通勤時の弾性ストッキング着用
筋肉ポンプの働きをサポートするためのものです。ハイソックスタイプで十分です。コットンの黒色やネイビーを履けばロングホーズ靴下と見分けがつきませんので、スーツ着用時でも問題はないと思います。
とりあえずの症状緩和や進行抑制には有効と思われます。
2.レーザー手術
弾性ストッキングは簡便な対処法ですが、あくまでも症状緩和と進行抑制であり、原因の解決には全くなりません。
完全に解決するためにはいつかは手術が必要になると思います。その場合はレーザー手術が現実的です。
15分程度の日帰り手術で翌日から仕事可能、術後の通院は二回のみですので、現役世代でも問題ありません。
仕事で忙しいとは思いますが、いつまでも様子を見ているのは賢明ではないと思います。
当院では潰瘍症例や重症皮膚炎症例を多く治療していますが、仕事が忙しくて放置してしまっていたということが多いように感じます。
健康第一はもちろんですが、潰瘍になってしまうと治療期間も長期化しますので仕事にも影響してきます。
足のだるさ程度であれば、たいていの場合はあっさりと治療が終了してしまうので、生活にはそれほどの支障はないようです。
現在の高齢者で重症皮膚炎や潰瘍例が多いのは、なかなか休めなかった時代背景もあると思います。
同じことを繰り返さないためにも早めに治療して潰瘍にはならないようにしてほしいと思います。