秋好院長ブログ
足のつりと下肢静脈瘤
投稿日:2019年10月28日 カテゴリー:下肢静脈瘤について, 当院での治療例
「足がつる」という症状で当院を受診する方が増えてきました。
当院は皮膚炎などを伴う重症例や再発例に力を入れていますが、だからといって軽症例は治療しないというわけではありません。
当たり前ですが、重症例が治療できれば軽症例も治療できます。(その逆は必ずしも正しくはないようですが。)
重症例の方によくよくお話を伺っていると、「足がつっていたけどほっといた。そのままほっといたら痒みがでてきた」という方が結構いることに気が付きます。そこで足がつるという方に超音波検査をしてみると、結構な確率で伏在静脈の逆流(=下肢静脈瘤)を認めます。
皮膚炎になってから治療をしても手遅れということではありません。ただし、黒ずみ(色素沈着)や皮膚のえぐれた痕(潰瘍痕)などはどうしても残ってしまいます。また、重症例では軽症例より手間も時間もかかります。
ネットで検索することによって医療知識を得ることが容易になりましたが、一方で誤解も広がりやすくなりました。
下肢静脈瘤では表面の血管のボコボコが目立つので、「血管のボコボコ=下肢静脈瘤」と思いがちですが、厳密にはそれは誤りです。
「伏在静脈の逆流などによる静脈圧の上昇=下肢静脈瘤」であって、「血管のボコボコ」はその症状の一つに過ぎません。
「血管のボコボコ」は写真でわかりやすいので、ネットやテレビではそればかりがクローズアップされるのですが、専門医はその奥を診ています。
「足がつる」というケースでも、その症状によって睡眠や歩行に支障をきたしているような場合には健康保険が使えます。ご安心ください。