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湘南平塚下肢静脈瘤クリニックブログ

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秋好院長ブログ

思い出のとんかつ

医学部卒業後に慶応義塾大学病院で一年間の勤務を経た後に最初の派遣先が総合太田病院でした。今は改築移転して太田記念病院となっています。

 

平日は22時前に仕事が終わることなど極稀にしかなく、土日も仕事でした。また、連日のように緊急手術や急変などで緊急コールがありました。一年間を通して休んだのは一週間あるかないかで、当時はブラック企業やパワハラという言葉もなく、それが当たり前でした。また、スマホなどもなく、ネットも整備されていなかったし、緊急時に備えて病院から30分以上かかるところへの外出は禁止されていたので、市内での外食だけが楽しみでした。

 

もとからとんかつは好きだったのですが、三枚橋のとんかつ屋の親父さんは会心の一撃みたいなとんかつを揚げてくれると「どうだ、うまいだろ」と声を掛けてくれました。また、いつもにこにこしている女将さんはとても優しくて、凹んでいるときには励みになりました。一人で行ってお腹いっぱい食べるのが楽しみでした。

離任してからはなかなか行く機会もなく、親父さんが亡くなられて代替わりしたと風の噂で聞きました。いろいろととんかつを食べたけれど、あれ以上のとんかつはなかった。先日、思い立って太田市まではるばる運転しました。

 

確かに代替わりして息子さんが揚げていました。親父さんは亡くなられたわけではなく、入院したときにピンチヒッターで息子さんが守っていただけで今もお元気とのこと、親父さんと女将さんは二年前までは現役でやってらしたとのことでした。もっと早く伺えばよかったと悔やまれました。

 

親父さんのとんかつは僕の思い出のなかで美化された味ですが、息子さんのとんかつはそれに劣らないものでした。息子さんのひとひねりを加えているとのことでしたが、なんの違和感もなく、僕は貪り食いました。

 

最近はチェーンの飲食店が多くなり、どこに行ってもおなじような味で、同じようなサービスです。それはそれで安心できるのですが、そこに感動はありません。

他人様に感動を与えるのは並大抵のことではなく、良かれとおもったことが裏目に出て怒りを買ったりすることもあります。

利益を生み出すための単純な手段(job)と考えれば感動を生み出すための試行錯誤は非効率的なリスクでしかなくマニュアル化で排除すべきです。しかし、常に向上を要求される専門的な職業(profession)に試行錯誤は欠かせません。また、先人の進歩や発見を踏まえた改善を次代に繋げて初めて天職(vocation)と言えると思います。

 

とんかつ食っただけでなに語ってんだよ、と突っ込まれそうですが、最後に見送ってくれた息子さんの女将さんそっくりの優しい立ち姿で「小僧の神様」を読んだときのような気分になったので日記として残しました。

 

 

 

クリニック概要

医院名 湘南平塚下肢静脈瘤クリニック
診療科目 内科・血管外科
住所 〒254-0043
神奈川県平塚市紅谷町14-20 FT共同ビル3F
TEL JR東海道・湘南新宿線「平塚駅」北口・西口より
徒歩3分
電話 0463-74-6694
休診日 日曜日、祭日、土曜日午後
診療時間 日・祝
9:00~
12:00
13:00~
18:00

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