秋好院長ブログ
下肢静脈瘤と弾性ストッキング
投稿日:2021年3月15日 カテゴリー:お知らせ
下肢静脈瘤に弾性ストッキングは極めて有効です。
ただし、下肢静脈瘤を治すだけの効果はありません。あくまでも、進行抑制と皮膚炎などの症状緩和だけです。
弾性ストッキングを履いていても下肢静脈瘤はゆっくりと進行するのが現実です。
弾性ストッキングが普及するための最大の障害は、患者が履かない、あるいは履いてもすぐに止めてしまうということです。
しょうがないと思います。日本の夏は暑いですから。カナダやノルウェーで大丈夫だったからって、日本でそれをそのまま適用するのは無理があります。
この問題を解決するために、着用補助器具や履きやすい弾性ストッキングや蒸れにくい弾性ストッキングや安価なストッキングなど各種取りそろえています。サイズ決定後に取り寄せになるものもあります。ご希望の方は受診をおすすめします。
緊急事態宣言と下肢静脈瘤
投稿日:2021年3月8日 カテゴリー:お知らせ
二度目の緊急事態宣言が延長されました。
昨年の初回緊急事態宣言ではどう対応するべきか誰もが手探りでしたが、今回は二回目ということもあり、そこそこうまく対応できました。
二回の緊急事態宣言、外出自粛の一年間を通じての感想を述べてみたいと思います。
1.重症例の受診が増えた。
これには2つの可能性があります。一つの可能性は緊急事態宣言・外出自粛では不要不急の受診を控えるので重症例しか受診しないので相対的に上昇したということです。もう一つの可能性は、休業やリモート化によって今まで我慢していた人たちが受診できるようになったということです。これは絶対数の増加です。
2.軽症例が減るわけではない。
政府によって不要不急の受診を控えるように指示が出されましたが、それによって不要不急の受診が減るということはありませんでした。どちらかというと、「医療機関でうつされるのが怖い」と、本来は受診するべき人まで受診を控えてしまったのが現実です。残念ですが、これは下肢静脈瘤に限らず、癌や狭心症や心筋梗塞などでも同様な事例があるようです。
3.閑散期である秋冬に重症例を中心に多数の受診があった。
下肢静脈瘤の相談の7割は夏期にいらっしゃいます。夏には症状が目立つ・ひどくなるためにどうしても夏期に集中します。ところが、今年は閑散期である秋冬にもポツポツと重症例が受診しました。一様に、コロナが怖くて受診を控えていた、本当はもっと早く相談したかったとおっしゃいます。
1.-3.の経験から、手術をするのはワクチン接種後でも構わないと思うのですが、感染者増加が低下している時期を狙って受診・相談は早めにした方がいいのではないかと思います。コロナがすぐに完全ゼロになるとは考えにくいのが現実です。そのような状況のなかで、自身の健康をマネージメントするには、専門医を受診したうえで、対処法等を学んで悪化にブレーキを踏んでおいたほうがよいと思います。