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湘南平塚下肢静脈瘤クリニックブログ

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秋好院長ブログ

静脈瘤の血管を焼いても大丈夫なの? その3

今回は下肢にある太い静脈についてです。

 

下肢の静脈には皮膚表面に分布する表在静脈と筋肉の奥深くを走行する深部静脈に大きく分けられます。表在静脈は皮膚表面を走っていて、皮膚の色が薄い人は透けて見えます。これに対して深部静脈は筋肉の奥深くを走っているので表面からは触れないし、見ることも出来ません。さらに表在静脈と深部静脈は無数の細い血管で交通しています。平行に走る縦の太い線の間を無数の横線がはしるようなあみだくじのような構造を想像してもらえるとよいと思います。

 

さて、この表在静脈と深部静脈の太さにはどれくらいの差があるのでしょうか?かなり個人差はありますが、直径でいうと3倍から5倍はあります。面積でいうと9倍から25倍です。例えれば、表在静脈は1車線の道路、深部静脈は9車線から25車線の道路ということになります。

 

下肢静脈瘤は表在静脈に出来ます。静脈瘤が出来ている表在静脈を焼き潰したり、切除したら、そこを流れている血液はどうなってしまうの?どこを流れるの?というのが一般の方には不思議でならないようです。

 

これは簡単なことで、表在静脈を流れていた血液は表在静脈と深部静脈を交通させている細い静脈を通って深部静脈に流れ込みます。もともと細い血管を流れている血流量ですから大したことはありません。深部静脈で受け止めることは十分に可能です。

 

1車線の道路が渋滞して排ガス問題がひどいからとその道路を潰しても、近くに25車線の道路があれば地域全体としては交通は維持されます。それと同じことです。

 

下肢静脈瘤の術前には必ず超音波検査をします。これは深部静脈が開存していることを確認して、表在静脈を焼いても大丈夫なことを確認しているのです。

静脈瘤の血管を焼いても大丈夫なの? その2

静脈瘤の血管を焼いても大丈夫な理由の1つ目は、そもそも静脈弁が壊れている静脈はまともな機能を果たしていないからです。

 

下肢の血流は動脈で入って、静脈で出ていきます。動脈は後ろ側に心臓というポンプがついているので勢いよく血液が流れています。動脈は徐々に枝分かれして下肢のあちこちに血液を運び、徐々に細くなって毛細血管となります。毛細血管のレベルになると心臓で押された血液の勢いはかなり減少します。

 

毛細血管は下肢のあちこちで出された老廃物を集めて、徐々に集まって太くなって静脈になります。静脈には後ろ側に心臓というポンプはついていません。ではどうやって血液の勢いを得ているかと言うと、静脈の周りの足の筋肉が歩行などで伸び縮みすることをローラーポンプのように利用して血液を動かしているわけです。ただし、この勢いは非常に弱く、重力には簡単に負けてしまいます。それを補うために静脈の中には静脈弁という一方通行弁がついていて、心臓に向かってのみ流れるようになっています。下肢の静脈でいうと立った時に下から上にのみ流れるようになっています。

 

下肢静脈瘤ではこの一方通行弁が壊れてしまいます。そのため、立ち上がると血液が重力に引っ張られて一気に足に溜まるわけです。この時に溜まった血液が逃げ道を求めて皮膚表面の静脈に流れ込み、これを瘤状に拡張させることによって下肢静脈瘤が出来ます。

 

道路は信号や標識で交通整理がなされることによって初めて道路としての機能を果たします。信号や標識や通行方向を守らず、対向車線にまで車がはみ出すようでは、道路としての機能を果たしません。血管や血液の流れも同様です。一方通行弁やポンプの働きできちんとした方向に血液が流れることによって初めて機能を果たすのです。

 

機能を果たしていない道路、例えば慢性的に渋滞している道路や開かずの踏切のある道路など、は潰してしまい、そこに流れている交通量をきちんと流れる幹線道路に流したほうが交通渋滞や排気ガス問題は解決しますよね?下肢静脈瘤でも同じことです。血液が逆流している静脈はレーザーで潰してしまいます。そうすることによってまともに流れている太い静脈に血液を誘導するのです。

 

次回はまともに流れている太い静脈についてです。

クリニック概要

医院名 湘南平塚下肢静脈瘤クリニック
診療科目 内科・血管外科
住所 〒254-0043
神奈川県平塚市紅谷町14-20 FT共同ビル3F
TEL JR東海道・湘南新宿線「平塚駅」北口・西口より
徒歩3分
電話 0463-74-6694
休診日 日曜日、祭日、土曜日午後
診療時間 日・祝
9:00~
12:00
13:00~
18:00

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