秋好院長ブログ
冷え症 その6
投稿日:2017年8月24日 カテゴリー:お知らせ, 冷え症について, 足のむくみ
動脈・静脈・神経に異常が見つからない場合はどうすればいいのでしょうか?
これまでに述べてきた「異常」というのは検査で客観的にわかる異常です。
残念ながら現時点では極小の毛細血管や末梢神経を検査する手段はありません。
(厳密にいうと研究レベルでは存在しています。私自身もアメリカでレーザー顕微鏡での生体イメージングを研究していました。ただし、こういった技術の臨床応用はもう少し先のことだと思います。)
証明・検証の出来ないことや客観的に公平に議論出来ないことに拘るのでは物事は解決できません。
原因がわからないことの原因はわからないままにして、症状の改善を図ったほうが現実的です。
(もちろん、きちんと検査して診断をした上での話です。最初から対症療法というのは誤った考え方です。)
というわけで、ここからは漢方等の対症療法の出番です。
症状の変化に応じて、薬を変えたり、飲み方を変えたりして体にあう治療を見つけていきます。
また、生活習慣の工夫なども相談します。
早い人だと二週間ぐらいで改善するときもありますが、大体においては半年ぐらいはかかると思ってください。
それなりに時間もかかりますし、完全には良くなりませんが、多くの患者さんで症状がかなり改善するのも事実です。
まずはお試しで始めてみることをお勧めします。
お盆休み明け
お盆休みより昨日から復帰しました!
準備期間を含めると半年で初めてのしっかりとした休みだったので、心身ともにリフレッシュ出来ました。
開院以来、手術ばかりしていたので腰が痛かったのですが、腰痛もよくなりました。
こころなしか手術も速くなったような気がします。
他人様の健康を預かるには自分の健康も大事、ということを実感しました。
ハードに働いて、休む時はしっかり休むということをこれからも心がけたいと思います。
お盆休み、夏休み
投稿日:2017年8月14日 カテゴリー:お知らせ
8月15日から8月19日までお盆休み、夏休みとさせていただきます。
8月21日午後より通常の診察を再開致します。
ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。
冷え症 その5
投稿日:2017年8月8日 カテゴリー:お知らせ, 下肢静脈瘤について, 脊柱管狭窄症, 閉塞性動脈硬化症について
動脈にも静脈にも異常がない場合には血流低下はないといったんは考えて差し支えありません。
では何に問題があると思いますか?
一つの可能性は神経です。
人間の感覚は神経に支配されています。
末端の受容器で刺激を受取り、末梢神経を伝わり、脊髄を登っていき、最後に脳で認識します。
この流れのどこかで神経に圧迫が加わわると、神経はその上流で痛みがあるかのように錯覚を起こします。
例えば、脊柱管狭窄症では腰に異常があるのに、足に痛みが生じます。
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_spinal_stenosis.html
脊柱菅狭窄症では神経が原因で足がしびれる、痛い、じんじんするなどの症状が生じます。
血管外科を受診される患者様で脊柱菅狭窄症を持っている方は沢山います。
一方で、脊柱菅狭窄症と診断されている患者様で、血管が原因で症状が生じている方も沢山います。
私がこれまでに勤めてきた病院でも整形外科からのご依頼が最も多かった印象です。
「足が冷える」と訴える患者様の多くが神経と血管の複合的要因で症状が出ていることが多いようです。
高齢者は複数の病気を抱えていることが普通です。一度に全部を完全に治すことはできなくても、ひとつずつ治して、少しでも症状が軽くなって生活の質が落ちないようにすることが大事だと思います。
それでは動脈、静脈、神経にも異常がなくて、それでも症状がある場合はどうなるのでしょうか?
スギ花粉免疫療法を行う時期
投稿日:2017年8月2日 カテゴリー:お知らせ, 免疫療法
Q:スギ花粉免疫療法を行う時期はいつがいいですか?
A:今でしょ!
古いネタですね。かなりベタです。なんのひねりもありません。
書いていて自分で恥ずかしくなりました。
ここからは真面目な話です。
免疫療法によるスギ花粉症治療にはそれなりの時間がかかります。
免疫療法ではスギ花粉に対する免疫寛容導入を試みるわけですが、放射線や化学療法などによる骨髄破壊を除いて、免疫寛容を即時導入する方法は現時点ではありません。
外来で安全に行うためには少量から徐々に慣らしていく必要があります。少なくとも半年はかかると思ってください。
スギ花粉が飛び始める時期から余裕をもって逆算すると「今でしょ」なのです。
スギ花粉が飛び始めてスギ花粉症になってから導入を試みてもまず効果はありません。
むしろスギ花粉症を増悪させる恐れがあります。
効果がないとなると健康保険の問題も生じるかもしれません。日本の保険医療では「安全でかつ確実な効果が期待される医療行為」しか認められないことが多いためです。
というわけで、真面目に「今でしょ」なのです。