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湘南平塚下肢静脈瘤クリニックブログ

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秋好院長ブログ

冷え症 その2

「冷え症」とはなんでしょうか?

これは難しい質問です。特に我々のように西洋医学を系統的に学んだ者にとっては難しい。

 

西洋医学というのは科学による病気の解明をベースとして、病気の原因を解決する「論理的な」治療法です。まず最初に診断があって、初めて治療がスタートします。逆にいうと、診断がきちんとなされなければ、治療はスタートしません。経験的な診断や治療は戒められています。

 

これに対して東洋医学(漢方)ではかならずしも病気の解明が先決ではありません。病気の原因がわからなくても、症状に応じて治療をすぐに開始することが可能なのです。逆に病気の説明・解明という意味では、客観性を欠いており、非科学的といわざるを得ない。

 

冷え症は西洋医学と東洋医学の狭間にある病気の典型です。

患者には明らかに症状があるのに、原因がわからない、検査をしても客観的には体温は下がっていないので診断がつかない、治療をスタートできないのが悩みです。

 

真面目な医師であればあるほど治療をスタートできない、そして患者側のフラストレーションは溜まる、患者側が一生懸命に訴えてそれに医師が真面目に対応して調べるとさらに治療が遠のくという悪循環です。これは日本の医学部・行政が西洋医学を中心においているにも関わらず、日本の患者のマインドは何百年も続いた東洋医学に慣らされたままという構造的な問題でもあると思います。

 

ではどうすればいいのか?

まずは西洋医学の知識を用いて鑑別診断をしっかりとする。これは現代医療においては必須です。

手術が必要な病気や西洋医学の方がむいている病気を素早く診断・治療した上で、漠然とした「冷え症」に対して漢方を応用して対症療法を行って症状を改善する。

これは私の慶應義塾大学医学部血管外科の先輩であるとともに漢方医でもあられる新見正則先生の考え方にならったものです。医学においては病気(=わからないもの)の科学的解明が至上命題ですが、医療においてはわからないままでも症状が良くなればいいのです。医学と医療はイコールではない、という割り切りなのです。

 

次からは冷え症に必要な鑑別診断についてお話しますね。

 

冷え症 その1

冷え症についてです。

 

毎日こんなに暑いのになんで冷え症について書くの??と感じられるかもしれません。

いえいえ、寒い時に冷えるのは誰でもなのです。こんなに暑いのに手足が冷えているように感じるからこそ本物の「冷え症」なんです。

 

この「冷え」というのが曲者で、他の人にはわからないのです。検査をしても正常なのに本人はとてもつらい、他の人にわかってもらえない、というのも冷え症のつらさです。(検査で客観的にわかるような冷えがある場合は他の病気になります。)

 

血管外科には「手足が冷える、血流がおかしいと思う」という訴えの患者さんが沢山いらっしゃいます。こういった訴えのの患者さんのなかから、動脈が詰まっている患者さん、下肢静脈瘤の患者さん、神経が原因で整形外科での治療が必要な患者さん、冷え症で漢方治療がよい患者さんを見分けて適切な診断と治療を提供するのも血管外科医のお仕事です。

 

というわけで、冷え症について診断・治療するのも血管外科医のお仕事になっているのです。

次回からはそれぞれの病気について書きますね。

クリニック概要

医院名 湘南平塚下肢静脈瘤クリニック
診療科目 内科・血管外科
住所 〒254-0043
神奈川県平塚市紅谷町14-20 FT共同ビル3F
TEL JR東海道・湘南新宿線「平塚駅」北口・西口より
徒歩3分
電話 0463-74-6694
休診日 日曜日、祭日、土曜日午後
診療時間 日・祝
9:00~
12:00
13:00~
18:00

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